【NEJM】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症へのベンラリズマブ、 メポリズマブに非劣性
著者

海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【NEJM】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症へのベンラリズマブ、 メポリズマブに非劣性

【NEJM】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症へのベンラリズマブ、 メポリズマブに非劣性
Wechslerらは、 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (EGPA) 患者を対象に、 抗IL-5受容体α抗体ベンラリズマブと抗IL-5抗体メポリズマブの寛解導入療法の効果の差について、 第III相多施設共同二重盲検無作為化実薬対照非劣性試験で検討した。 その結果、 ベンラリズマブはメポリズマブに対して非劣性であることが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Benralizumab versus Mepolizumab for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med. 2024 Mar 7;390(10):911-921. PMID: 38393328

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

非劣性が証明された後には優越性も確認する解析方法に事前に設定した最近多いやや欲張りな研究デザインです。 研究的には非劣性が証明されたで結論となる訳なのですが日常臨床では、 両薬剤で効果を認めない群がまだ存在することは大切なポイントです。

🔢関連コンテンツ

EGPAの診断基準・重症度分類


好酸球に発現するIL-5α受容体に対する抗体

EGPAは、 好酸球性炎症を特徴とする血管炎の一種である。 好酸球に発現するIL-5α受容体に対する抗体であるベンラリズマブは、 EGPAの治療選択肢となる可能性がある。

主要評価項目は36/48週時の寛解率

対象

標準治療を受けている再発性または難治性EGPAの成人患者 : 140例

介入

  • ベンラリズマブ群 : 70例
ベンラリズマブ30mgを4週1回皮下投与し52週間継続
  • メポリズマブ群 : 70例
メポリズマブ300mgを4週1回皮下投与し52週間継続

主要評価項目

投与開始後36週および48週時点での寛解率

非劣性マージン : -25%ポイントと事前に規定した。

副次評価項目

寛解期間、 初回再発までの期間、 経口グルココルチコイドの中止割合、 好酸球数、 安全性など

非劣性を認めるも優越性は示せず

36週・48週時点での寛解患者補正割合

ベンラリズマブのメポリズマブに対する非劣性が示されたが、 優越性は示されなかった。

  • ベンラリズマブ群 : 59%
  • メポリズマブ群 : 56%
差 3%ポイント (95%CI -13-18%ポイント)
優越性のp=0.73

寛解期間

2群で同程度であった。

初回再発までの期間

2群で同程度であった。

経口グルココルチコイドの完全中止割合

(48週~52週)
  • ベンラリズマブ群 : 41%
  • メポリズマブ群 : 26%

血中好酸球数の平均値 (±SD)

ベースライン時

  • ベンラリズマブ群 : 306.0±225.0/μL
  • メポリズマブ群 : 384.9±563.6/μL

投与開始後52週時点

  • ベンラリズマブ群 : 32.4±40.8/μL
  • メポリズマブ群 : 71.8±54.4/μL

重篤な有害事象の発現割合

  • ベンラリズマブ群 : 6%
  • メポリズマブ群 : 13%

ポストのGif画像
【NEJM】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症へのベンラリズマブ、 メポリズマブに非劣性の全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【NEJM】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症へのベンラリズマブ、 メポリズマブに非劣性