HOKUTO編集部
1ヶ月前

相同組み換え修復 (HRR) 遺伝子変異を有する転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC) において、 PARP阻害薬タラゾパリブ+アンドロゲン受容体経路阻害薬 (ARPI) エンザルタミドを、 プラセボ+エンザルタミドと比較した二重盲検第Ⅲ相無作為化比較試験TALAPRO-3の主解析結果から、 主要評価項目の画像診断上の無増悪生存期間 (rPFS) の有意な延長が示された。 米・Huntsman Cancer InstituteのNeeraj Agarwal氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med.誌2026年5月30日オンライン版¹⁾に掲載された。
転移性去勢抵抗性前立腺癌 (mCRPC) を対象とした第Ⅲ相TALAPRO-2試験では、 エンザルタミドへのタラゾパリブ上乗せでrPFS・全生存期間 (OS) が有意に改善し、 特にHRR欠損例で有益性が示された。 一方、 アンドロゲン除去療法 (ADT) +ARPIで治療されるHRR陽性mCSPCは依然として予後不良である。
同試験では、 HRR変異を有するmCSPC患者599例を、 タラゾパリブ0.5mg+エンザルタミド160mg/日 (300例) またはプラセボ+エンザルタミド (299例) に1:1で無作為化した。 主要評価項目は治験医師判定によるrPFSだった。
rPFS中央値は、 タラゾパリブ+エンザルタミド群では未到達(NR)であり、 プラセボ+エンザルタミド群の45.8ヵ月に比べて、 進行・死亡リスクを52%低減した (HR 0.481 [95%CI 0.357–0.647]、 p<0.0001)。
rPFSのサブグループ解析では、 BRCA変異例ではHR 0.368 (95%CI 0.222–0.609)、 BRCA陰性例ではHR 0.567 (同 0.392–0.819) と、 いずれのサブグループでも有益性が一貫していた。
中間解析時点のOSイベント数は、 タラゾパリブ+エンザルタミド群で74例、 プラセボ+エンザルタミド群で91例 (HR 0.767 [95%CI 0.564–1.044]、 p=0.0905) と、 両群間で有意差には至らないもののタラゾパリブ+エンザルタミド群で良好な傾向を示した。 また、 PSA増悪までの期間 (HR 0.513)、 後続治療開始までの期間 (HR 0.514) を有意に延長した。
Grade≧3のTEAEの発現は、 タラゾパリブ+エンザルタミド群で79%、 プラセボ+エンザルタミド群で41%だった。 TEAEによるタラゾパリブ中止は56例 (18.7%) で、 新たな安全性シグナルは認めなかった。
Agarwal氏は 「本試験の結果は、 タラゾパリブ+エンザルタミドの併用療法を、 HRR変異mCSPCの治療選択肢として支持し、 前立腺癌における早期の分子検査の重要性を示すものである」 と述べた。
1) N Engl J Med. 2026年5月30日オンライン版
【改訂】mCRPCへのPARP阻害薬、 適応拡大後の遺伝子検査の意義は?
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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