HOKUTO通信
2年前
医師が苦労する課題の一つに臨床文書の作成があり、 その負担が患者ケアに悪影響を与えることが多いとの報告もある。 そんな悩みが、 生成型AI (人工知能) の最新モデル 「GPT-4」や音声認識AIなどの連携によって解決される日が近い将来訪れるかもしれない。
臨床文書は優れた臨床記録の確保が目的で、 医療システム上でも重要な役割を担っている。
ただ、『JGME (Journal of Graduate Medical Education) 』による2013年論文¹⁾によると、 調査対象となった米国の研修医約1500人のうち、 92%が 「文書化の責務が過剰」 と答え、 73%が 「臨床文書を作成する負担が患者ケアに悪影響を及ぼしている」 と回答。 回答者の多くは、 直接の患者ケアより臨床文書作成に時間を費やしていると報告した。
この課題を解決するため、 Microsoftは3月、 グループ会社が複数の最新AIを組み合わせ、 臨床文書を完全に自動作成するアプリケーションを開発すると発表した²⁾。
グループ会社のNuance Communications (ニュアンス・コミュニケーションズ) は、 医師と患者のやり取りを録音してテキストに書き起こし、 患者の電子カルテに直接入力する音声認識AI 「Dragon Medical One」 を提供している。
ニュアンスはこの音声認識AIを、 OpenAIが提供する生成型AIの最新モデル 「GPT-4」 などと組み合わせることで、 診察室での患者診察や遠隔診療が終わった後、 患者との会話を基に、 すぐに臨床記録の確認ができる文書の下書きを数秒で自動作成する機能の実用化を目指すという。
ニュアンスは 「医師がより多くの時間を患者のケアに費やし、事務処理に費やす時間を短縮できるようにしたい」などとしている。 4月17日から米国シカゴで開催されるヘルスケア見本市 「HIMSS Global Health Conference」でも紹介するという。
なお、 HOKUTOでは、「臨床支援AI」 機能の第一弾として、 患者への説明文、 IC内容を自動で生成する機能をリリースしました。 操作はシンプルで、 患者の状態や説明に関する項目を入力、または選択するだけです。
第2弾として、 論文を要約して批判的吟味するAIもリリース予定です。 詳しくは 以下のリンクをご覧下さい。
【臨床支援AI】患者への説明文を自動で生成するAI機能がリリースされました!英語対応!
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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