【SPEED】乾癬性関節炎の初期集中治療、 DMARD or TNFi併用が病勢制御に有望
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HOKUTO編集部

9ヶ月前

【SPEED】乾癬性関節炎の初期集中治療、 DMARD or TNFi併用が病勢制御に有望

【SPEED】乾癬性関節炎の初期集中治療、 DMARD or TNFi併用が病勢制御に有望
乾癬性関節炎 (PsA) の初期治療における、 疾患修飾性抗リウマチ薬 (csDMARD) +メトトレキサート (MTX) 併用療法、 またはTNF阻害薬 (TNFi) +MTX併用療法の有効性について、 標準的なstep-up療法を対照に比較検証した無作為化比較試験SPEEDの結果から、 csDMARDまたはTNFiとMTXの併用で迅速な疾患制御を達成した。 英・University of OxfordのLaura C. Coates氏が発表した。

背景

予後不良因子ありPsAの治療選択が課題

PsAの治療において、 欧州リウマチ学会 (EULAR) は疾患活動性の低下を目標とするT2T (treat-to-target) *アプローチを推奨しており、 特に予後不良因子を有する患者には、 より集中的な治療を行うことを提案している。

GolMePsA試験¹⁾およびSTAMP試験²⁾では、 生物学的製剤の早期投与は、 MTXによる標準的なstep-up療法と比較し利点は認められなかったが、 両試験では予後不良な患者の選別はされていない。

*寛解などの明確な治療ゴールを設定し、 定期的に効果を評価しながら、 目標に達するまで治療を段階的に強化していく戦略

試験の概要

対象は予後不良因子を有する活動性PsA

SPEED試験の対象は、 コホート内臨床試験(TWiC)であるMONITOR試験³⁾のPsAコホートにおいて観察対象とされた、 関節の圧痛・腫脹や付着部炎を1か所以上認める活動性PsAのうち、 1つ以上の予後不良因子*を有する患者だった。

DMARDによる関節炎治療歴やDMARDの使用を妨げる因子 (腎機能・肝機能障害、 肝炎、 HIV、 活動性結核、 過去5年以内の癌) を有する患者、 妊娠中・授乳中・妊娠を希望する女性患者は除外された。

*①多関節炎 (≧5か所)、 ②HAQスコア>1、 ③CRP≧5mg/dL、 ④X線上の骨びらん所見

MTX+csDMARD/TNFi併用療法と標準治療を比較評価

MONITOR試験に登録された926例のうち、 192例がSPEED試験の適格となり、 以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • 標準治療群 : 64例
MTX→csDMARD→生物学的製剤
  • DMARD併用群 : 63例
MTX+csDMARD(サラゾスルファピリジン/レフルノミド)→生物学的製剤
  • 早期TNFi群 : 65例
MTX+抗TNF-α抗体アダリムマブ

主要評価項目は24週時点のPASDAS

主要評価項目は24週時点のPsA疾患活動性スコア (PsA disease activity score [PASDAS]) だった。

試験の結果

ベースラインのPASDASは5.6~5.8

PsA罹患期間の中央値は8.4ヵ月、 Psoriasis Area and Severity Index (PASI)スコアの中央値は1.8、 付着部炎の有病率は50.0%、 指趾炎の有病率は33.3%だった。 またベースラインのPASDAS中央値は、 標準治療群およびDMARD併用群がいずれも5.6、 早期TNFi群が5.8だった。

24週時PASDASはDMARD併用群で4.1、 早期TNFi群で3.7

24週時点のPASDAS平均値は、 標準治療群の4.7(SD 1.4)と比較し、 DMARD併用群で4.1(同 1.5)、 早期TNFi群では3.7(同 1.9)と、 標準治療群と比較しそれぞれ有意に改善した(p=0.0232、 p=0.0007)。

DMARD併用群と早期TNFi群の間では有意差を認めなかった(p=0.1258)。

早期TNFi群では12週時点で4割がPASDAS良好反応

PASDASで良好な反応を示した患者の割合 (DMARD併用群/早期TNFi群/標準治療群) は、 12週時は8%/42%/15%と、 早期TNFi群で有意な改善を認めた(p=0.02)。

24週時はそれぞれ31%/45%/8%と、 DMARD併用群(p=0.003)および早期TNFi群(p<0.001)のいずれも有意に改善し、 48週時は35%/40%/24%と、 早期TNFi群のみ有意な改善が見られた(p=0.05)。

寛解/低疾患活動性の達成率は4割超

PsAの疾患活動性指標 (DAPSA) で寛解または低疾患活動性 (LDA) を達成した患者の割合 (DMARD併用群/早期TNFi群/標準治療群) は、 24週時が42%/48%/15%、 48週時が42%/54%/31%であり、 各介入群において良好な結果だった。 またPASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合も、 24週時で44%/46%/18%、 48週時が45%/49%/45%と、 各介入群で良好な結果が得られた。

非重篤なAEが僅かに増加する可能性

重篤な有害事象 (AE) は、 4件 (標準治療群2件[脳出血、 会陰部膿瘍]、 早期TNFi群2件[胃腸炎、 下気道感染]) にみられた。 一方で非重篤なAEがわずかに増加する可能性が示され、 主な内訳は頭痛、 嘔気、 下痢、 肝機能障害、 感染だった。 感染症は早期TNFi群で最も高頻度に認められ、 それ以外はDMARD併用群で最も高頻度に認められた。

結論

早期集中治療は迅速な疾患制御に有望

Coates氏は 「早期の生物学的製剤またはcsDMARD併用による初期集中治療は、 予後不良因子を有する早期PsAにおいて、 標準的なstep-up療法よりも迅速に疾患制御を達成する点で優れている」 と報告した。

出典

¹⁾ Ann Rheum Dis 2024; 83: 153–154.

²⁾ Arthritis Rheumatol 2024; 76 (suppl 9).

³⁾ Trials. 2021;22(1):185. Published 2021 Mar 4.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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