「医師の紹介手数料 250億円」 日本医師会が問題視
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HOKUTO通信

2日前

「医師の紹介手数料 250億円」 日本医師会が問題視

医師や看護職、 介護職など医療・介護分野における有料職業紹介事業で、 年間1061億円の手数料が紹介業者に支払われている実態が明らかになった。 日本医師会によると、 医師に絞っても年約250億円に及ぶという。 

課題①紹介手数料、 4年で3割増

医師会や四病院団体協議会が2026年3月にまとめたワーキンググループ報告書*¹⁾ では、 有料職業紹介事業を巡る課題を整理している。

まず、 紹介業者に支払われる手数料が年々増加していることだ。 厚生労働省の 「職業紹介事業報告書の集計結果」 (2023年度) によると、 医師248億円、 看護職580億円、 介護職234億円で、 全体で年間1061億円に上った。 4年前の2019年度と比べて31%増となっている。

「医師の紹介手数料 250億円」 日本医師会が問題視
【図1】有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書より引用

近年はエージェントが本人に代わって条件交渉などを行うため、 求職者はハローワークなど無料職業紹介ではなく、 民間の人材紹介サービスを利用する傾向が強くなっている。 その結果、 病院などの求人側も紹介サービスを利用せざるを得ない現状がある。

医師1人採用で 「335万円」 が消える

東京都病院協会の報告書 (2024年) によると、 医師の平均手数料率は22.7%、 平均手数料額は335.9万円に上り、 医業収益に占める割合は平均1.16%となっている。 ワーキンググループ報告書では 「本来であれば、 医療の質向上や医師などの処遇改善に充てられるべき財源が、 人材紹介会社へ流出している」 と問題視している。

「医師の紹介手数料 250億円」 日本医師会が問題視
写真はイメージです

課題②採用後の早期離職

こうして高額な手数料を払っても人材が定着しない——。 日本医師会の今村英仁常任理事は 「1番の問題は採用後の早期離職」 と強調する。

厚生労働省の公表資料 「職業紹介事業における職種別手数料、 離職状況について」 によると、 医師の6か月以内の平均離職率は3.0%。 他業種と比べて高いわけではないが、 看護職 (10.5%) や介護職 (15.3%) は他業種を大きく上回る。 「高い手数料を払って採用→早期に離職→また紹介会社へ」 という負の連鎖が繰り返されているという。

「医師の紹介手数料 250億円」 日本医師会が問題視
【図2】有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書より引用

3つの緊急提言

こうした現状を踏まえ、 報告書では①紹介手数料の上限規制の導入②返戻金制度の義務化・返戻水準の標準化③定着期間に応じた成果型報酬体系の導入ーーの3点を求めている。

ただし上限規制の実現は不透明だ。 有料職業紹介事業に対する手数料規制は 「職業の自由」 という法的な壁が存在し、 「簡単にはいかない」 (今村常任理事) という。

ドクターバンクの活用呼びかけ

日本医師会は提言のほか、 医師会のドクターバンク事業を拡充し、 一層の利用を呼びかける*²⁾ 。 現在利用件数は増えつつあるものの、 コーディネーターの対応が追い付かず、 就業成立数は伸び悩んでいる。

具体的には、 都道府県医師会などが運営するドクターバンクとの業務提携を進め、 求人情報の共有や需要の掘り起こしを目指す。 既に提携している愛知や岐阜、 沖縄の各県医師会、 ハローワークのほか、 埼玉や静岡、 京都など8府県医師会とも近く正式な提携をする。

出典

*¹⁾ 日本医師会・四病院団体協議会 : 有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書

*²⁾ 日本医師会ドクターサポートセンターのリニューアルについて

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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