海外ジャーナルクラブ
1年前
McQuiltenらは、 高齢者の貧血発生率に対する低用量アスピリンの影響を、 無作為化比較試験ASPREEの事後分析で検討。 その結果、 低用量アスピリンが健常高齢者における貧血の発生およびフェリチンの低下と関連することが明らかとなった。 本研究はAnn Intern Med誌において発表された。
ASPREE研究の主解析結果はNEJMの2018年に報告され低用量アスピリンは、 大出血リスクが増加するという結論でした。 今回の研究では大出血とは関係なく貧血が増加するとのことです。
日常的な低用量アスピリンの使用は大出血のリスクを増加させるが、 鉄欠乏や貧血への影響に関する研究は限られている。
米国およびオーストラリアの70歳以上 (黒人およびヒスパニック系は65歳以上) の地域在住者:1万9,114例
ヘモグロビン値は毎年、 フェリチンはベースライン時と無作為の3年後に測定された。
プラセボ群で5年当たり3.6g/L低下し、 アスピリン群では5年当たり0.6g/Lと急減した (95%CI 0.3-1.0g/L)。
アスピリン群ではプラセボ群よりも3年時点のフェリチン値が45μg/L未満の例が多く、 フェリチン値の全体的な低下は11.5%大きかった。
大出血がない場合のアスピリンの効果を定量化した感度分析でも同様の結果が得られた。
低用量アスピリンは、 大出血のリスクとは関係なく、 健常高齢者の貧血の発生とフェリチンの低下を増加させることが示された。 アスピリンを服用している高齢者では、 ヘモグロビンの定期的なモニタリングが推奨される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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