海外ジャーナルクラブ
1年前
Qinらは、 外科的切除または焼灼療法を受けた再発高リスクの肝細胞癌患者を対象に、 術後療法としてのアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の効果を国際第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験IMbrave050で検討した。 その結果、 アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法はアクティブサーベイランス (経過観察) 群と比較して、 無再発生存期間 (RFS) を改善した。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
ベネフィット・リスクプロファイルをより完全に評価するためには、 長期間の追跡調査が必要であるという結論は大きな意味を持っています。 やはり統計学的な有意差だけではなく、 トータルのリスク・ベネフィットを考えた治療法の選択が求められる状況に達していると考えます。
外科的切除または焼灼療法後も肝細胞癌再発リスクが高い患者への術後療法は確立されていない。
外科的切除または焼灼療法を受けた再発高リスクの肝細胞癌患者
患者は以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
独立レビュー施設の評価によるRFS
主要評価項目
術後療法としてのアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用は、 経過観察群と比較し、 RFSを有意に延長した。
HR 0.72 (補正後95%CI 0.53-0.98、 p=0.012)
Grade3/4の有害事象の発現
Grade5の有害事象の発現
有害事象による投与中止
併用群において、 アテゾリズマブ、 ベバシズマブの両方の投与中止に至った有害事象(全グレード)の発現は9% (332例中29例) だった。
外科的切除または焼灼療法後の高リスクの肝細胞癌患者において、 アテゾリズマブ+ベバシズマブによる術後療法は、 経過観察群と比較してRFSを有意に改善した。 IMbrave050試験は肝細胞癌に対する術後療法の第Ⅲ相試験で肯定的な結果を報告した最初の試験である。 しかし、 ベネフィット・リスクプロファイルをより完全に評価するためには、 RFSと全生存期間 (OS) の両方についてより長期間の追跡調査が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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