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後期研修医のための呼吸器内科現場診療

249日前

後期研修医のための呼吸器内科現場診療:「気管支鏡」 (日赤医療センター 出雲雄大先生)

本稿のポイント

  1. 気管支鏡は必ずしも万能ではない!
  2. 今の気管支鏡下生検に要求されるものは、昔とは違うことを認識しよう!

1.気管支鏡を用いた診断

気管支鏡は必ずしも万能ではなく、 病変部位や病変サイズに応じ、症例ごとに気管支鏡の種類や採取法を決める必要がある.

1)病変部位とマネジメント

  • 末梢孤立性病変:本邦で最も多い. 生検や擦過、 気管支洗浄などが行われる.
  • 末梢びまん性病変:気管支肺胞洗浄 (BAL) や生検、 気管支洗浄が行われる.
  • 中枢病変:気管支鏡で可視範囲内にある病変に対して生検や擦過が行われる.
  • リンパ節転移病期診断:超音波気管支鏡ガイド下吸引針生検(EBUS-TBNA)が行われる.

2)通常用いられる気管支鏡の種類と役割

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3)わが国における肺生検法

1)日本肺癌学会編:肺癌診療ガイドライン2021年版
2)出雲 雄大 他: 気管支学 40(5): 505-10 (2018)

4)検体採取法と検体

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2. EBUS-GS

ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法の略. 末梢病変で、関与気管支がある病変に適する検査法.

まずはX線透視やR-EBUSで確認

  • 末梢病変が内視鏡下に直接観察できることはほとんどなく、 X線透視やRadial EBUS (R-EBUS) という細い超音波で病変の位置を確認する必要がある.

病変位置まで距離があればGSを

  • しかし、 気管支鏡先端から確認した病変位置までに距離があることが多い.
  • 生検鉗子や擦過ブラシを上手く同じ気管支に誘導できないことが多く、 その際はガイドシース(GS) が必要となる.
  • GSの主な役割は、 気管支鏡先端から病変までの橋渡しと、 病変内部または付近にGSを留置することによる止血効果である.

太径GSと細径GSの違い

  • 太径GSは吸引生検針を挿入することが可能(GS-TBNA).
  • GS-TBNAは病変に関与気管支が到達していないまたは近傍にある場合にも有用.

気管支鏡の操作について

  • 末梢病変へのアプロ―チで最も重要なことは気管支鏡先端を病変に向けることである.
  • 病変の位置によって、 内視鏡を回転させる向きは概ね決まっている.

3. EBUS-TBNA

超音波気管支鏡ガイド下吸引針生検の略. コンベックス型EBUSで肺門・縦隔リンパ節・気管に接している病変をリアルタイムに描出しながら針穿刺を行い、 検体を採取する手技. 

穿刺のポイント① 削り取るイメージ

  • 吸引針生検であるが、 穿刺針で病変を削り取るイメージで病変全長内を動かす.
  • 単調に穿刺針を動かしても、 組織検体が採取できないことが多い.

穿刺のポイント② エラストグラフィ

  • 病変の硬さで判別する検査法.
  • 穿刺するリンパ節や穿刺部位の決定に有用.

穿刺のポイント③ Slow pull法

  • 吸引シリンジを用いずにスタイレットを少しずつ引きながらストロークする方法.
  • 穿刺後に吸引シリンジに血液が多く返ってくる場合、Slow pill法が有用.

4. クライオバイオプシー

他の検査法と比較して、気管支鏡下で大きく挫滅の少ない組織が採取できる検体採取法. 基本的にクライオプローブと気管支鏡を検体採取時に一緒に引き抜くため, 検査時に挿管が必要であるなど, これまでの気管支鏡検査と操作法が根本的に違うことへの理解が必要である. 

実際の操作例

  • 気管支鏡と同時に引き抜く際は、 魚釣りの要領と同様に「クッ」っと一気に引き抜く.
  • 止血のためのバルーン留置は出血予防に重要である (手技としてはバルーン留置のためのバルーン操作が一番難しい!).
  • 操作法が特異なため、 施設導入時は既に導入している施設への見学・研修がおすすめ.

クライオバイオプシーの使用機材例

  • ERBECRYO® 2/本体
  • リユーザブルプローブ

φ2.4mm 長さ900mm

φ1.9mm 長さ1,150mm

φ1.9mm 長さ900mm

  • シングルユースプローブ (2021年1月から本邦で使用可能)

φ2.4mm 長さ1,150mm

φ1.7mm 長さ1,150mm

φ1.1mm 長さ1,150mm

  • ペダルフットスイッチ
  • 二酸化炭素ボトル
  • 高圧ガスホース

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こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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