海外ジャーナルクラブ
26日前

Lewisらは、 米国において、 Ⅱ型GM1ガングリオシドーシスを有する小児患者を対象に、 β-ガラクトシダーゼをコードするアデノ随伴ウイルス9型 (AAV9) ベクターを用いた遺伝子治療の安全性および有効性を第Ⅰ/Ⅱ相非盲検用量漸増試験で検討した。 その結果、 AAV9ベクターの単回投与は、 1例における重篤な嘔吐および全例における肝酵素値上昇を含む有害事象 (AE) と関連していたものの、 生化学的マーカーおよび神経画像所見の改善に加え、 一部の指標では発達機能悪化の進行抑制が示唆された。 本研究はN Engl J Med誌において発表された。
対象患者の9例中5例が2家系に属しており、 結果の一般化可能性に制限がある可能性があります。
GM1ガングリオシドーシスは、 GLB1遺伝子の両アレル変異によって引き起こされ、 GM1ガングリオシドを分解するリソソームβ-ガラクトシダーゼの欠乏に起因する。 この致死的な神経変性疾患には、 現在有効な治療法が存在しない。
第Ⅰ/Ⅱ相非盲検用量漸増試験において、 乳児後期または若年発症のII型GM1ガングリオシドーシスを有する小児患者9例を対象に、 免疫抑制下でβ-ガラクトシダーゼをコードするAAV9ベクターを単回静脈内投与した。
主要評価項目は安全性、 副次評価項目は脳脊髄液 (CSF) 中GM1ガングリオシド濃度およびβ-ガラクトシダーゼ活性のベースラインからの変化、 臨床全般印象改善度 (CGI-I) スコアを含む臨床評価、 ならびに神経画像所見であった。
3年間にわたり124件のAEが発現し、 このうち30件 (胃腸関連事象 8件、 炎症に関連する検査値異常 21件、 頻脈 1件) が、 担当医師により遺伝子治療と 「関連の可能性がある」、 「関連している可能性が高い」 または 「確実に関連している」 と判断された。
重篤なAEは5件発現し、 そのうち1例は嘔吐により入院に至り、 遺伝子治療に起因すると判断された。
全例で血清ASTおよびALT値が上昇したが、 18ヵ月までにベースライン値へ回復した。
全例でCSF中β-ガラクトシダーゼ値は上昇し、 CSF中GM1ガングリオシド値は低下した。
表出性コミュニケーションおよび粗大運動スコアはおおむね安定していた一方で、 微細運動および受容性コミュニケーションスコアは低下した。
CGI-Iスコア中央値は、 2年時で3 (軽度改善)、 3年時で4 (変化なし) であり、 一方でヒストリカルコントロールでは経時的な悪化が示された。
神経画像では、 ベースラインと比べて脳萎縮の進行速度低下および髄鞘形成の改善と一致する所見が認められた。
著者らは 「本研究において、 β-ガラクトシダーゼをコードするAAV9の単回投与は、 1例における重篤な嘔吐および全例における肝酵素値上昇を含む有害事象 (AE) と関連していた。 一方、 副次評価項目の結果からは、 生化学的マーカーおよび神経画像所見の改善に加え、 一部の指標では発達機能悪化の進行抑制が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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