海外ジャーナルクラブ
1年前
Bevelらは、 食料品店へのアクセスの悪い地域 (フードデザート) やファーストフードへのアクセスの高い地域 (フードスワンプ) が肥満関連癌死亡率とどのように関連するかを横断生態学的研究で検討。 結果、 これらの地域の存在が肥満関連癌死亡率と密接に関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
このような地域と転帰との関連を調べた研究で気になるのは”実際の場所”です。 たとえば、 日本の地域研究であれば自分の住んでいる場所が気になると思います。 そういった場合には、 mappingという技術で可視化が可能です。
肥満関連癌は米国では全癌の40%を占めている。 健康的な食品摂取は、 肥満関連癌死亡率を低下させることが示されている修正可能な要因であるが、 フードデザートやフードスワンプに居住することは、 健康的な食品へのアクセスを低下させる。
食品環境スコアと肥満関連癌死亡率データに関する完全な情報を有する米国の郡または郡に相当する計3,038の郡
肥満関連がん (肥満と13種類のがんとの間の国際がん研究機関のエビデンスに基づく) 死亡率を、 郡ごとに「高」 (人口10万人あたり71.8人以上で)、 「低」 (人口10万人あたり71.8人未満) に区分。
非ヒスパニック系黒人住民の割合が高い。
65歳以上でも同様にその割合が高かった。
貧困率が高い
肥満率が高い
糖尿病の罹患率が高い
フードスワンプスコアが高い地域では、 肥満関連癌死亡のオッズが77%増加していた (aOR 1.77;95%CI 1.43-2.19)。
また、 フードデザートおよびフードスワンプスコアの3つのレベル (低-中-高) の肥満関連癌死亡率の間には正の用量反応関係が観察された。
政策立案者、 資金提供機関、 地域社会の関係者が、 より歩きやすい地域やコミュニティガーデンを作るなど、 肥満やがんと闘い、 より健康的な食べ物へのアクセスを確立するための持続可能なアプローチを実施すべきことを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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