【Lancet】再発性急性扁桃炎、扁桃腺摘出術が有効で費用対効果に優れる
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1年前

【Lancet】再発性急性扁桃炎、扁桃腺摘出術が有効で費用対効果に優れる

【Lancet】再発性急性扁桃炎、扁桃腺摘出術が有効で費用対効果に優れる
Wilsonらは、 再発性急性扁桃炎の患者を対象に、 保存的治療と扁桃腺摘出術の臨床的有効性と費用対効果を多施設共同非盲検無作為化対照試験で検討。 その結果、 扁桃腺摘出術が臨床的に有効で費用対効果に優れていることが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。

📘原著論文

Conservative management versus tonsillectomy in adults with recurrent acute tonsillitis in the UK (NATTINA): a multicentre, open-label, randomised controlled trial.Lancet. 2023 May 17;S0140-6736(23)00519-6. PMID: 37209706

👨‍⚕️監修医師のコメント

Tonsillectomy is a painful procedure which requires an average of 14 days off workとIntroductionにありますが、 少し日本人の感覚からすると長いように思います。 主要評価項目にも関連しますので、 痛みをアウトカムにした場合には人種差を考慮する必要があります。


背景

扁桃腺摘出術は、 急性扁桃腺炎の成人患者に対して定期的に行われているが、 そのエビデンスは乏しい。 扁桃腺摘出術の減少は、 扁桃腺炎合併症による成人急性期入院の増加と同時に進行している。

研究デザイン

対象

再発性急性扁桃炎で二次医療機関の耳鼻咽喉科に新規紹介された16歳以上の患者。

介入

患者を以下の群にランダムに割り付け。

  • 扁桃腺摘出術群:233例
  • 保存的治療群:220例

主要評価項目

喉の痛みの日数 (24カ月間収集)

研究結果

24カ月間の咽頭痛の日数中央値

扁桃腺摘出術群の参加者は、 保存的治療群の参加者よりも24カ月間の咽頭痛の日数が少なかった。

  • 扁桃腺摘出術群:中央値23日 (IQR 11-46)
  • 保存的治療群:中央値30日 (IQR 14-65)

総咽頭痛日数の発生率比

部位とベースラインの重症度で調整した結果、 保存的管理群 (205例) と比較した扁桃腺摘出群 (224例) の総咽頭痛日数の発生率比は0.53 (95%CI 0.43-0.65、 P<0.0001) であった。

安全性評価

39% (231例中90例) の患者の191件の有害事象が扁桃摘出術に関連すると判断された。 最も一般的な有害事象は出血であった (19%の患者に54事象)。

試験期間中に死亡した患者はいなかった。

結果の解釈

再発性急性扁桃炎を有する成人において、 扁桃腺摘出術は保存的治療と比較して臨床的に有効であり、 費用対効果に優れている。 ただし、 出血という有害事象の発生も確認された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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