海外ジャーナルクラブ
16日前

Kondamuriらは、 陽圧呼吸療法にアドヒアランス不良な閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) 患者を対象に、 舌下神経電気刺激療法 (HGNS) と心血管疾患 (CVD) 発症との関連を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 HGNSは、 CVDのない患者では2年以降の糖尿病・高血圧の診断ハザード低下と関連した一方、 糖尿病・高血圧のある患者では2年以内の心血管イベント診断ハザード上昇と関連した。 研究結果はJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌において発表された。
行政請求データを用いた研究であるため、 OSAの重症度、 心血管系指標、 薬物誘発睡眠内視鏡による気道虚脱パターンについてマッチングできていません。
HGNSはOSAの治療選択肢として広がりつつあり、 健康リスクの低減に関するデータが求められている。
本研究は、 HGNSがCVDの発症低下と関連するかを明らかにする目的で実施された。
本研究は、 米国の商用医療請求データベースであるMerative MarketScan Commercial Databaseを用いた後ろ向きコホート研究として実施された。 対象は2015~24年にHGNSを受けた成人で、 HGNSの適応基準を満たしながら植込みを受けなかった対照患者とマッチングされた。
評価項目は、 ベースライン時にCVDのない患者では初回受診から糖尿病または高血圧の診断までの時間、 糖尿病または高血圧のある患者では初回受診から軽度または重度の心血管イベント診断までの時間とした。 HGNSは時間依存性共変量としてモデル化された*。
解析対象は、 HGNS群3,786例、 対照群3,395例だった。
ベースライン時にCVDのない患者では、 HGNSは2年以内の糖尿病診断ハザードとは関連しなかったが (HR 1.06 [95%CI 0.61-1.85])、 2年以降ではハザード低下と関連した (HR 0.19 [同 0.09-0.38])。 高血圧診断ハザードについては、 2年以内では上昇 (HR 1.70 [95%CI 1.26-2.28])、 2年以降では低下 (HR 0.49 [同 0.33-0.73]) と関連した。
ベースライン時に糖尿病または高血圧のある患者では、 HGNSは2年以内の軽度 (HR 1.44 [95%CI 1.06-1.95]) および重度 (HR 1.62 [同 1.06-2.48]) の心血管イベント診断ハザード上昇と関連した。 一方、 2年以降では有意な関連は認められなかった (軽度 : HR 0.60 [95%CI 0.35-1.04]、 重度 : HR 0.65 [同 0.31-1.36])。
著者らは、 「本コホート研究の結果から、 HGNSと心血管転帰との関連は一様ではないものの、 長期的には有益である可能性が示された。 今後は、 これらの関連を検証するとともに、 サブグループ間の差異やHGNS後に心血管アウトカムが変化する機序を明らかにする必要がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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