海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Meulmeesterらは、 喘息発作のリスク予測因子を明らかにするため、 22件の無作為化比較試験 (RCT) の系統的レビューとメタ解析を実施し、 血中好酸球数および呼気一酸化窒素 (FeNO) の予後予測能を検討した。 その結果、 血中好酸球数とFeNOいずれも高値である場合、 いずれか一方が高値である場合に比べて喘息発作リスクがさらに高くなることが明らかとなった。 研究結果はLancet Respir Med誌に発表された。
文献検索が2021年4月までのMEDLINE検索のみに基づいており、 プロトコール作成後の変更ができなかったことからやや古いデータとなっています。
重度喘息発作に関する臨床的危険因子は特定されているが、 その予後予測における増分的価値は不明である。 加えて、 一般的かつ治療可能な病態であるType 2炎症の予後への寄与も明らかになっていない。
そこでこの研究では、 ベースラインの臨床特性およびType 2炎症バイオマーカー、 特に血中好酸球数とFeNOの予後予測能を定量化するために、 系統的レビューとメタ解析を実施した。
オックスフォード喘息発作リスク評価尺度2 (ORACLE2) を用いて、 喘息発作率に対する固定治療レジメンの効果を追跡期間6ヵ月以上で調査し、 ベースラインで血中好酸球数とFeNOを測定した無作為化比較試験 (RCT) 22件を組み入れた。 対照群に割り付けた12歳以上の喘息患者 (重症度を問わず) 計6,513例を解析対象として、 重度喘息発作 (全身性コルチコステロイド投与3日以上) 発現率とベースライン時の血中好酸球数およびFeNOの予後への影響を評価した。
負の二項分布モデルを用いて、 血中好酸球数とFeNOを含む主要変数を調整し、 年換算した喘息発作発現率の95%CIを伴う率比 (RR) を算出し、 このType 2炎症バイオマーカー間の相互作用を調査した。 エビデンスの確実性はGRADEを用いて評価した。
解析対象6,513例のうち5,972例 (92%) が中等度から重度の喘息であった。 5,482人年の追跡期間中に4,615件の喘息発作が発現した (0.84/人年)。
血中好酸球数またはFeNOが高いほど喘息発作リスクが高かった (10倍増加あたり、 血中好酸球数ではRR 1.48 [95%CI 1.30-1.68]、 FeNOではRR 1.44 [95%CI 1.26-1.65]、 エビデンスの確実性: 高)。 このほか、 血中好酸球数とFeNOいずれも高値である場合、 いずれか一方が高値である場合に比べて喘息発作リスクがさらに高くなることが明らかとなった。
その他の主な予後予測因子は以下のとおりであった。
また、 気管支拡張薬吸入後の気道可逆性に重度喘息発作のリスク低下との関連が認められ (10%改善あたり、 RR 0.93 [95%CI 0.90-0.96])、 この低下は特に0~25%の範囲で明瞭であった。
C統計量は0.58-0.95の範囲に分布しており、 研究間で患者背景および疾患特性に大きな差異があることを示していた。 試験ごとに行った単変量メタ解析では、 試験間で関連の程度に大きなばらつきがあり、 I²統計量は0.56~0.97と高い異質性が示された。
著者らは 「今回の結果から、 リスク抑制のための臨床リスク層別化として、 血中好酸球とFeNOを取り入れた個別化治療アプローチの有用性が裏付けられた。 今後は、 さらに個別化した臨床意思決定モデルを検討すべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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