【Lancet Gastroenterol Hepatol】分子検査に基づくピロリ除菌、感受性検査に対し非劣性
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Lancet Gastroenterol Hepatol】分子検査に基づくピロリ除菌、感受性検査に対し非劣性

【Lancet Gastroenterol Hepatol】分子検査に基づくピロリ除菌、感受性検査に対し非劣性
Chenらは、 Helicobacter pylori(H. pylori)感染症患者を対象に、 1次治療および3次治療における分子検査に基づくH. pylori感染症治療の有効性と安全性を2件の多施設非盲検無作為化試験で検討。 その結果、 分子検査に基づく治療は感受性検査に基づく治療に比べ、 1次治療において同等であり、 3次治療においても非劣性であることが明らかになった。 本研究はLancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。

📘原著論文

Molecular testing-guided therapy versus susceptibility testing-guided therapy in first-line and third-line Helicobacter pylori eradication: two multicentre, open-label, randomised controlled, non-inferiority trials. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2023 Jul;8(7):623-634. PMID: 37178702

👨‍⚕️監修医師のコメント

台湾からの2つのRCTを1つにまとめた形での報告です。 介入の詳細がわかりにくいので試験1の介入をお示しします。 (A) Genotypic resistance guided therapy: In the absence of 23S rRNA mutation, clarithromycin based sequential therapy will be given. In the presence of 23S rRAN mutation but the absence of gyrase A mutation, levofloxacin based sequential therapy will be given. In the presence of both 23S rRNA and gyrase A mutations or if genotyping fails, bismuth quadruple therapy will be given. (B) Susceptibility testing guided therapy: In the absence of clarithromycin resistance, clarithromycin based sequential therapy will be given. In the presence of clarithromycin resistance but the absence of levofloxacin resistance, levofloxacin based sequential therapy will be given. In the presence of both clarithromycin and levofloxacin resistance or if culture fails, bismuth quadruple therapy will be given.

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背景

H. pylori感染は胃癌や消化性潰瘍疾患の重要な原因因子であり、 免疫性血小板減少性紫斑病や機能性ディスペプシアとも関連している。 H. pyloriでは、 23S rRNA遺伝子とgyrA遺伝子の点変異が、 それぞれクラリスロマイシン耐性とレボフロキサシン耐性に関連している。 H. pylori除菌において、 分子検査に基づく治療が感受性検査に基づく治療に劣らないかどうかは不明である。

研究デザイン

対象

  • 試験1:20歳以上の治療歴のないH. pylori感染者
  • 試験2:20歳以上でH. pylori感染に対する2回以上の除菌療法後に治療が失敗した患者

介入

患者は以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け

  • 分子検査に基づく治療
  • 感受性検査に基づく治療

主要評価項目

intention-to-treat解析による除菌率

非劣性マージン

  • 試験1:5%
  • 試験2:10%

研究結果

1次治療による除菌率

intention-to-treat解析により、1次治療では、 分子検査ガイド療法群では86% (280例中241例、 95%CI 82-90)、 感受性検査ガイド療法群では87% (280例中243例、 95%CI 83-91) で感染の消失が確認された (P=0.81)。

3次治療による除菌率

intention-to-treat解析により、3次治療では、分子検査誘導群88% (160例中141例、 95%CI 83-93例) 、感受性検査誘導群87% (160例中139例,95%CI 82-92例) で感染の消失が確認された (P=0.74)。

各治療の除菌率の差

  • 試験1:-0.7% (95%CI -6.4-5.0、 非劣性P=0.071)
  • 試験2:1.3% (同-6.0-8.5、 非劣性P=0.0018)

有害事象

有害事象については、 試験1、 試験2ともに両群間に差は認められなかった。

結果の解釈

分子検査に基づく治療は、H. pylori感染症の1次治療において感受性検査に基づく治療と同等であり、 3次治療においても感受性検査に基づく治療に対し非劣性であったことから、 H. pylori除菌における分子検査ガイド療法の使用が支持される。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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