【JAMA Oncol】2020~50年のグローバルながんの経済的費用は25.2兆ドルとの予測
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2年前

【JAMA Oncol】2020~50年のグローバルながんの経済的費用は25.2兆ドルとの予測

【JAMA Oncol】2020~50年のグローバルながんの経済的費用は25.2兆ドルとの予測
Chenらは、 204カ国と地域を対象に、 29種のがんの経済的費用について、 意思決定分析モデルを基に推定。 その結果、 20~2050年のグローバルながんの経済的費用は、 25.2兆ドルであり、 これは世界の国内総生産に対する年間0.55%の課税に相当することが明らかとなった。 本研究は、 JAMA Oncology誌において発表された。 

📘原著論文

Estimates and Projections of the Global Economic Cost of 29 Cancers in 204 Countries and Territories From 2020 to 2050. JAMA Oncol. 2023 Feb 23;e227826. PMID: 36821107

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

がん治療薬の開発がものすごいスピードで進んでおり、 生存率が改善しています。 それと並行して、 治療抵抗性の患者群に対してもより強力な治療法が開発され、 また治療に伴う副反応に対しても治療以上のコストが必要になります。 がんの治療薬負担を抑制する世界的な取り組みは正当化されると思います。


背景

がんは死亡の主な原因であり、 世界中で年間約1,000万人が死亡している。 がんは各国の経済成長にも悪影響を及ぼすが、 がんの世界的な経済コストやその世界的な分布については、 まだ研究されていない。

研究デザイン

方法

マクロ経済モデルを用いて、 以下について検討した。

  1. がんによる死亡・罹患と労働供給との関連
  2. がんに罹患した人の教育、 経験、 労働市場への参加における年齢性差
  3. がん治療費の貯蓄・投資からの流用

主要評価項目

国・地域間の29のがんの経済的費用。

コストは、 2017年の恒常価格での国際ドルで表示。

研究結果 

2020年から2050年までのがんの推定経済費用

2020年から2050年までのがんの推定経済的費用は、 国際ドルで25.2兆ドル (2017年の恒常価格で)、 世界の国内総生産に対する年間0.55%の課税に相当するものであった。

経済コストが最も高い5つのがん

  • 気管・気管支・肺癌:15.4%
  • 結腸・直腸癌:10.9%
  • 乳癌:7.7%
  • 肝癌:6.5%
  • 白血病:6.3%

がんの経済的費用が多い国

がんの経済的費用は、 中国と米国が絶対額で最も大きく、 それぞれ世界の総負担額の24.1%と20.8%を占めていた。

所得差との関係

がんによる死亡の75.1%は低・中所得国で発生していますが、 がんの経済的費用に占める割合は49.5%と低くなっていた。 がんの経済的費用全体に占める治療費の相対的な寄与は、 低所得国よりも高所得国で大きい。

結論

この研究では、 がんのマクロ経済コストは相当なものであり、 がんの種類、 国、 世界地域によって不均一に分布していることが明らかになった。 この結果は、 現在進行中のがんの負担を抑制するための世界的な取り組みが正当化されることを示唆している。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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