【J Clin Oncol】新規二重特異性抗体の投与、再発/難治性多発性骨髄腫の治療に有望
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2年前

【J Clin Oncol】新規二重特異性抗体の投与、再発/難治性多発性骨髄腫の治療に有望

【J Clin Oncol】新規二重特異性抗体の投与、再発/難治性多発性骨髄腫の治療に有望
D'Souzaらは, 3種類以上の治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫 (RRMM) 患者を対象に, B細胞成熟抗原とCD3 に対する二重特異性抗体であるABBV-383の有効性と安全性を検討する第1相試験を実施. その結果, RRMM患者におけるABBV-383の忍容性は良好で, 40mg以上の用量で客観的奏効率 (ORR) が68%に達した. 本研究は, J Clin Oncol誌において発表された. 

📘原著論文

D'Souza A, et al, A Phase I First-in-Human Study of ABBV-383, a B-Cell Maturation Antigen × CD3 Bispecific T-Cell Redirecting Antibody, in Patients With Relapsed/Refractory Multiple Myeloma. J Clin Oncol. 2022 Aug 27;JCO2201504.PMID: 36029527

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

First-in-Human StudyのPhase I研究結果です. N数は少ないですが, 一定の安全性も担保され, 今後の更なる研究成果が期待されます.

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背景

B細胞成熟抗原とCD3 T細胞誘導二重特異性抗体であるABBV-383は, 現在進行中のRRMM患者を対象とした第1相試験で有望な結果を示している.

研究デザイン

  • 対象:プロテアソーム阻害薬, 免疫調節薬, 抗CD38モノクローナル抗体を含む3種類以上の前治療歴のあるRRMM患者.
  • ABBV-383は3週間に1回, 1~2時間かけて静脈内投与され, 段階的投与は行われなかった.
  • 用量漸増のため, バックフィルを含む3+3デザイン (患者内で許容される最高安全量まで増量) が用いられ, その後増量が開始された.

研究結果

  • 124名の患者がABBV-383の投与を受け, 年齢中央値は68歳 (範囲:35~92歳) であった.

有効性評価

  • 有効性評価対象の全患者 (122名)
  • 奏効率:57%,
  • 部分寛解以上:43%
  • 60mg用量拡大コホート (49名)
  • 奏効率:59%
  • 部分寛解以上:39%
  • 40mg以上の用量漸増+用量拡大コホート (79名)
  • 奏効率:68%
  • 部分寛解以上:54%

安全性評価

  • 最も一般的な血液学的治療有害事象は好中球減少 (全グレード:37%) と貧血 (29%) であった.
  • 非血液学的有害事象で最も多かったのは, サイトカイン放出症候群 (57%) と倦怠感 (30%) であった.
  • 有害事象により7名の死亡が報告されたが, 治験責任医師によりすべて試験薬とは無関係であると判断された.

結論

RRMM患者におけるABBV-383の忍容性は良好で, 40mg以上の用量で奏効率は68%であった. この新しい治療法は, 有望な抗腫瘍活性があるため更なる臨床評価が必要である.

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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