【Dermatol Res Pract】医療用手袋の1日2時間以上使用が皮膚炎のリスク因子に
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【Dermatol Res Pract】医療用手袋の1日2時間以上使用が皮膚炎のリスク因子に

【Dermatol Res Pract】医療用手袋の1日2時間以上使用が皮膚炎のリスク因子に
Prakoeswaらは、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応するインドネシアの医療従事者を対象に、 医療用手袋の使用による職業的皮膚炎について横断的研究で検討。 その結果、 1日2時間以上手袋を使用する人やアトピー性皮膚炎、 手の皮膚炎などの既往歴のある人など、 リスクの高い人については、 医療用手袋の使用を慎重に検討すべきとの結論がなされた。 本研究は、 Dermatol Res Pract誌において発表された。 

📘原著論文

Glove-Induced Hand Dermatitis: A Study in Healthcare Workers during COVID-19 Pandemic in Indonesia. Dermatol Res Pract. 2023 Aug 2;2023:6600382. PMID: 37564133

👨‍⚕️監修医師のコメント

結論にはThe use of gloves by healthcare workers should be considered carefully…とかなり強い語気で記載されていますが、 多変量解析もなされておらず、 強い結論が得られる研究ではありません。


背景

医療用手袋と職業性皮膚炎

医療従事者の皮膚障害は、 世界中の多くの施設で報告されている。 職業性皮膚炎は、 最もよく知られているものの1つであり、 社会的に重要な健康問題である。 特に手袋の使用は、 皮膚炎の発生や悪化の危険因子の1つである。

研究デザイン

対象

インドネシアのCOVID-19指定病院において個人防護具 ( personal protective equipment:PPE) を用いて患者のケアを行った医療従事者:845人

曝露

質問票を基に、 被験者の特徴 (年齢、 性、 就業状況)、 手袋の使用に関連する皮膚障害、 手袋の使用状況、 既往歴のデータを収集した。

研究結果

解析対象

医療従事者845人中、 18.46% (156人) が手袋誘発性の手指皮膚炎を発症した。

症状および好発部位

最も発現率の高い症状は皮膚の瘙痒 (44.23%) で、 最好発部位は手掌 (48.72%) であった。

リスク因子

医療従事者における手袋の使用と手袋誘発性皮膚炎との間には有意な関連が認められ、 特に、 1日2時間以上の手袋使用と有意な関連が認められた。

手袋誘発性皮膚炎は、 アトピー性皮膚炎や手の皮膚炎の既往歴を有するものとも有意な関連が認められた。

結論

医療従事者における手袋誘発性皮膚炎の発生を予防し、 安全な職場環境を提供するために、 医療用手袋の使用を慎重に検討すべきである。 特に1日2時間以上手袋を使用する人やアトピー性皮膚炎または手の皮膚炎の既往歴のある人など、 リスクの高い人については、 特に配慮が必要である。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【Dermatol Res Pract】医療用手袋の1日2時間以上使用が皮膚炎のリスク因子に