海外ジャーナルクラブ
13日前

東京科学大学大学院腎泌尿器外科学の安田庸輔氏らの研究グループは、 日本の実臨床レジストリであるYUSHIMAレジストリに登録された高腫瘍量転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) 患者を対象に、 1次治療としてのトリプレット療法 (アンドロゲン除去療法 [ADT] +ドセタキセル+アンドロゲン受容体経路阻害薬 [ARPI]) とダブレット療法 (ADT+ARPI) の去勢抵抗性獲得までの期間を比較評価した。 その結果、 去勢抵抗性獲得までの期間において、 トリプレット療法とダブレット療法の間に有意差は認められなかった。 本研究はProstate誌において発表された。
本研究はリアルワールドの観察研究であり、 傾向スコア調整後も残余交絡や治療選択バイアスが残存し、 日本人集団に限定される点から結果の一般化には一定の制限があります。
本研究は、 高腫瘍量mHSPCを有する日本人患者において、 トリプレット療法とダブレット療法の有効性を、 去勢抵抗性獲得までの期間を比較し、 外部第Ⅲ相試験から再構築した個別患者データを用いた探索的ベイズ統合解析で補完的に評価することを目的に実施した。
YUSHIMAレジストリに登録された、 CHAARTED基準による高腫瘍量mHSPC患者140例が以下の2群に分類された。
主要評価項目は去勢抵抗性獲得までの期間であった。 背景因子をオーバーラップ重み付け法を用いて調整したうえで、 重み付けCoxモデルで評価するとともに、 制限平均生存時間 (RMST) を12ヵ月および24ヵ月時で推定した。
さらに探索的解析として、 YUSHIMAレジストリのデータに加え、 7つの外部第Ⅲ相試験から再構築した個別患者データを用いたベイズ統合解析を実施した。
追跡期間中央値は23ヵ月であり、 34例が去勢抵抗性を獲得した。
オーバーラップ重み付け法を用いたCox解析では、 去勢抵抗性獲得までの期間において、 トリプレット療法群とダブレット療法群との間に有意差は認められなかった (HR 0.81 [95%CI 0.31-2.12])。
RMST差 (トリプレット療法-ダブレット療法) は、 12ヵ月時で0.21ヵ月 (95%CI -0.64~1.15ヵ月)、 24ヵ月時で0.95ヵ月 (95%CI -1.95~3.96ヵ月) であった。
一方、 借用強度α=0.5を用いた探索的ベイズ統合解析では、 事後平均RMST差は12ヵ月時で1.42ヵ月、 24ヵ月時で3.19ヵ月であり、 トリプレット療法でわずかな上乗せ効果が示唆された。
著者らは 「本プロペンシティ加重レジストリ解析では、 去勢抵抗性獲得までの期間において、 トリプレット療法の明確な優位性は認められなかった。 一方、 探索的ベイズ統合解析では、 トリプレット療法でわずかな上乗せ効果が示唆されたものの、 その結果は外部エビデンスに依存しており、 仮説生成的な所見にとどまった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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