海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Scullyらは、 先天性血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の患者を対象に、 遺伝子組換えADAMTS13製剤の予防投与の効果を第Ⅲ相非盲検試験で検討した。 同試験の中間解析の結果、 ADAMTS13製剤の予防的投与中、 ADAMTS13活性は正常値の101%に達した。 有害事象の大部分は軽度または中等度であり、 TTPイベントの発生や症状発現は少なかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
Ultrarareな疾患で第Ⅲ相試験を行っている点がすごいです。 あらかじめ30名参加の段階で中間解析を行うと決めておいて、 主要評価項目である急性TTPイベントは介入群0例、 対照群1例となっています。
先天性TTPはADAMTS13の遺伝的欠損に起因する疾患である。 同疾患に対して、 標準治療と比較した遺伝子組み換えADAMTS13製剤の予防投与の有効性および安全性は不明である。
先天性TTP患者 : 48例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けて治療を実施 (第1期)。 6ヵ月後に治療内容を入れ替えた (第2期)。
急性TTPイベントの発生
急性TTPイベントの発生
ADAMTS13製剤の予防的投与中には発生しなかったが、 標準療法による予防中には1例に発生した。
年間イベント発生率の平均 : 0.05
最も発現頻度が高いTTPの症状
もっとも発現頻度が高かったのは血小板減少症であった。
1期・2期を通じた年間イベント発生率
治療後のADAMTS13の最大活性の平均
有害事象の発現率
試験薬関連の有害事象
有害事象による試験薬の中断・中止
中和抗体の発現
遺伝子組換えADAMTS13による治療中に中和抗体は出現しなかった。
著者らは、 「先天性TTP患者において、 遺伝子組換えADAMTS13製剤の予防的投与中、 ADAMTS13の最大活性の平均は正常値の101%に達した。 有害事象の大部分は軽度または中等度であり、 TTPイベントの発生や症状発現は少なかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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