【第Ⅲ相試験】乳癌1次治療におけるベバシズマブ+パクリタキセル
著者

HOKUTO編集部

1年前

【第Ⅲ相試験】乳癌1次治療におけるベバシズマブ+パクリタキセル

【第Ⅲ相試験】乳癌1次治療におけるベバシズマブ+パクリタキセル
未治療の転移性乳癌において、 ベバシズマブ+パクリタキセル (PTX) 投与の効果を、 PTX単剤投与を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有効性が示された。

原著論文

▼解析結果

Paclitaxel plus bevacizumab versus paclitaxel alone for metastatic breast cancer. N Engl J Med. 2007 Dec 27;357(26):2666-76. PMID: 18160686

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第Ⅲ相試験の概要

対象

未治療の転移性乳癌患者

方法

722例を以下の2群に1:1で割り付けた。

全患者共通で、 PTX 90mg/m²をday1、 8、 15に投与

  • PTX+ベバシズマブ群 (368例)
ベバシズマブ10mg/kgをday1、 15に投与
  • PTX 群 (354例)

評価項目

主要評価項目:PFS

副次評価項目:奏効率 (ORR)、 安全性、 全生存期間 (OS)、Quality of Life (QOL)*

*Functional Assessment of Cancer Therapy-Breast質問票を使用し評価

第Ⅲ相試験の結果

患者背景

両群で同様であった。

PFS中央値

PTX+ベバシズマブ群:11.8ヵ月

PTX群:5.9ヵ月

HR 0.60、 p<0.001

ORR

PTX+ベバシズマブ群:36.9%

PTX群:21.2%

p<0.001

OS中央値

PTX+ベバシズマブ群:26.7ヵ月

PTX群:25.2ヵ月

HR 0.88、 p=0.16

OS率 (1年時) 

PTX+ベバシズマブ群:81.2%

PTX群:73.4%

p=0.01

有害事象 (AE)

  • 血液、 消化器、 筋骨格系のAEは、 両群で同様であった。
  • PTX+ベバシズマブ群でより頻度が高かったのは、 Grade3-4の神経障害 (p=0.03) 、 感染症 (p<0.001) および疲労 (p=0.04) 、 脳血管虚血 (p=0.02) 、 Grade3-4の頭痛 (p=0.008) であった。

QOL

ベースラインからの得点の平均変化に、 両群で有意差はみらなかった。 

著者らの結論

未治療の転移性乳癌患者の初回治療としてPTX+ベバシズマブ群は、 PTX群と比較し、 PFSを延長させるが、 OSは延長しないことが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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