HOKUTO編集部
6日前

内分泌療法抵抗性のPD-L1陽性 (CPS≧1) HR+/HER2-進行乳癌に対し、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の有無を比較した第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-B49の結果が報告された。 ペムブロリズマブ併用群は主要評価項目の無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した一方で、 全生存期間 (OS) に有意差は認められなかった。 米・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が発表した。 同試験の詳細は、 Ann Oncol.誌2026年10月23日オンライン版¹⁾に掲載された。
内分泌療法抵抗性のHR+/HER2-進行乳癌の予後は不良である。 KEYNOTE-B49試験は、 内分泌療法後に進行したPD-L1陽性の本疾患患者を対象に、 化学療法への免疫療法の上乗せ効果を評価した最大規模の試験である。
本試験では、 CDK4/6阻害薬を含む内分泌療法後に進行が認められ、 転移・再発後の化学療法歴がないPD-L1 CPS≧1のHR+/HER2-切除不能局所再発または転移のある乳癌患者を対象とした。
342例を1:1で以下の2群に無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 CPS≧1症例における盲検下独立中央判定 (BICR) によるRECIST v1.1に基づくPFSであり、 主な副次評価項目はCPS≧1症例におけるOSであった。
PD-L1陽性例の割合が低かったため、 プロトコルが修正され、 目標症例数は800例から約340例に縮小された。
対象患者の年齢中央値はペムブロリズマブ併用群58歳、 プラセボ併用群57歳、 PD-L1 CPS≧10の割合は両群とも21.1%、 CDK4/6阻害薬による治療歴を有する割合は各群99.4%、 98.8%であった。
主解析 (追跡期間中央値29.1ヵ月) 時点のPFS中央値は、 ペムブロリズマブ併用群で6.7ヵ月 (95%CI 6.2–8.3ヵ月)、 プラセボ併用群で6.0ヵ月 (同4.2–8.1ヵ月) であった。 ペムブロリズマブ併用群では増悪または死亡のリスクが26%低下し、 主要評価項目を達成した (HR 0.74、 95%CI 0.58–0.95、 片側p=0.0089)。 最終解析 (追跡期間中央値34.9ヵ月) 時点でも、 PFSの改善効果は維持されていた (HR 0.74)。
サブグループ解析から、 PD-L1 CPS≧10症例におけるPFS中央値は7.5ヵ月 vs 4.4ヵ月であった(HR 0.59、 95%CI 0.35–0.98)。
最終解析(追跡期間中央値34.9ヵ月)時点のOS中央値は、 ペムブロリズマブ併用群21.0ヵ月 (95%CI 18.9–22.9ヵ月)、 プラセボ併用群22.2ヵ月 (同17.6–26.3ヵ月) であり、 両群間に有意差を認めなかった (HR 1.04、 95%CI 0.81–1.33、 片側p=0.6185)。
後治療を受けた患者の割合は73.1% vs 86.0%であり、 この差を調整した事後探索的解析のOSのHRは0.94 (95%CI 0.74–1.21) であった。
奏効率 (ORR) は、 ペムブロリズマブ併用群、 プラセボ併用群の順に、 CPS≧1の症例では31.6% vs 28.1%、 CPS≧10症例では44.4% vs 30.6%であった。
治療関連有害事象 (TRAE) 発現率は、 ペムブロリズマブ併用群、 プラセボ併用群の順に91.2% vs 90.5%、 うちGrade≧3は37.6% vs 32.7%であった。 TRAEによる治療中止は11.2% vs 5.4%であった。 治療関連死亡はペムブロリズマブ併用群で3例 (1.8%) に認められた (自己免疫性肝炎、 消化管炎症、 肺臓炎)。 免疫関連AEおよびインフュージョンリアクションは37.1% vs 14.9%であった。
演者は 「ペムブロリズマブ+化学療法は、 内分泌抵抗性のPD-L1陽性HR+/HER2-進行乳癌のPFSを有意に改善し、 新たな安全性シグナルは認められなかった」 と結論付けた。 症例数の縮小によってOSの検出力は約65%に低下しており、 OSの解釈には限界があると付言している。 なお、 進行中のTroFuse-010試験 (NCT06312176) では、ペムブロリズマブと抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan (sac-TMT) 併用療法の有効性を検討しているという。
1) Ann Oncol. 2026年10月23日オンライン版
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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