海外ジャーナルクラブ
4日前

Berggreenらは、 デンマークの50~69歳女性を対象に、 現在使用中の更年期ホルモン療法 (MHT) と静脈血栓塞栓症 (VTE)・虚血性脳卒中・心筋梗塞 (MI) の関連を全国規模のネステッド症例対照研究で検討。 その結果、 非使用と比べ、 現在使用中の経口エストロゲン療法は、 VTE (ハザード比 [HR] 1.6)、 虚血性脳卒中 (HR 1.3)、 MI (HR 1.2) リスク増加と関連し、 1年当たりの絶対リスク増加はそれぞれ0.09、 0.06、 0.03%㌽であった。 一方、 経皮療法は周期的併用療法におけるMIを除き血栓症リスクの増加と関連しなかった。 研究結果はBMJ誌に発表された。
50歳未満でホルモン療法を開始した女性や長期・高用量使用者で認められた血栓症リスク上昇は、 閉経歴に関連するベースラインリスクの違いや、 適応による交絡の影響を受けている可能性があります。
本研究は、 現在使用中の更年期ホルモン療法 (MHT) が、 静脈血栓塞栓症 (VTE)、 虚血性脳卒中、 心筋梗塞 (MI) の発症と関連するかを検討することを目的とした。
本研究は、 デンマークの全国健康レジストリデータを用いた全国規模のネステッド症例対照研究*である。 2003~21年にデンマークに居住した50~69歳の女性コホートのうち、 静脈血栓症・動脈血栓症、 癌、 肝疾患、 血栓性素因、 卵巣摘出術、 不妊治療、 子宮内膜症、 PMOS**の既往がない女性を対象とした。
症例はVTE 9,807例、 虚血性脳卒中1万8,460例、 MI 1万1,974例であり、 出生年でマッチさせた血栓性疾患のない女性 (それぞれ4万9,035例、 9万2,300例、 5万9,870例) を対照とした。
主要評価項目はVTE、 虚血性脳卒中、 MIの初回診断とし、 MHTの現在使用と非使用を比較した。
MHT非使用者における発症率は、1万人年当たりVTE 15.8、 虚血性脳卒中20.3、 MI13.0であった。
非使用と比べ、 現在使用中の経口エストロゲン療法 (単独またはプロゲスチン併用) はVTE (ハザード比 [HR] 1.6, 95%CI 1.5-1.8)、 虚血性脳卒中 (HR 1.3, 95%CI 1.2-1.4)、 MI (HR 1.2, 95%CI 1.1-1.3) のリスク増加と関連した。
1年当たりの絶対リスク増加はVTE 0.09%㌽、 虚血性脳卒中0.06%㌽、 心筋梗塞0.03%㌽であった。
1年間の使用に対する有害必要数 (NNH) はそれぞれ1,055、 1,642、 3,846であった。
経口エストラジオール製剤の使用は、 非使用と比べ一貫してVTEリスクの増加と関連した。
1mg/日超の経口エストラジオールを1年超使用した場合は虚血性脳卒中・MIのリスク増加と関連し、 使用期間が長いほどリスクは高かった。 5年超の使用では虚血性脳卒中はHR 1.8 (95%CI 1.4-2.2)、 MIはHR 1.8 (95%CI 1.4-2.4) であった。
非使用と比べ、 経皮療法は血栓症リスクの増加と関連しなかった。 ただし周期的併用療法ではMIリスクの増加と関連した (HR 2.1, 95%CI 1.1-4.1)。
著者らは 「非使用と比べ、 現在使用中の経口MHTは用量・使用期間にかかわらずVTEリスク上昇と関連した。 一方、 高用量 (1mg/日超) 経口エストラジオール製剤の長期使用では虚血性脳卒中・MIのリスク上昇が認められた」と報告している。 なお、経皮療法は概ね血栓症リスク増加と関連しなかったが、 周期的併用療法ではMIリスク増加との関連が認められた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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