【NEJM】FGF21アナログ製剤pegozaferminがNASHの肝線維化を改善:第Ⅱb相ENLIVEN
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】FGF21アナログ製剤pegozaferminがNASHの肝線維化を改善:第Ⅱb相ENLIVEN

【NEJM】FGF21アナログ製剤pegozaferminがNASHの肝線維化を改善:第Ⅱb相ENLIVEN
Loombaらは、 非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) 患者を対象に、 FGF21アナログ製剤pegozaferminの有効性と安全性を第Ⅱb相無作為化比較試験ENLIVENで検討。 その結果、 pegozaferminの投与により肝線維化の改善が確認された。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Randomized, Controlled Trial of the FGF21 Analogue Pegozafermin in NASH. N Engl J Med. 2023 Sep 14;389(11):998-1008. PMID: 37356033

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

肝繊維化の改善をきたした割合がプラセボ群で7%ほどあります。 このプラセボの効果が5~10%程度認めているのが適切に行われた研究結果と裏付けられる指標の一つです。

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肝線維化のリスク評価

背景

pegozaferminは、 NASHおよび重度の高トリグリセリド血症の治療薬として開発中のFGF21アナログ製剤である。 生検で診断された、 肝硬変を伴わないNASH患者におけるその有効性と安全性はまだ確立されていない。

研究デザイン

対象

生検でNASHの診断が確定し、 肝線維化ステージがF2 (中等度) またはF3 (高度) の患者

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け。

  • pegozafermin 15mg群:pegozafermin 15mgを週1回皮下投与
  • pegozafermin 30mg群:pegozafermin 30mgを週1回皮下投与
  • pegozafermin 44mg群:pegozafermin 44mgを2週に1回皮下投与
  • プラセボ群 (週1回) :プラセボを週1回皮下投与
  • プラセボ群 (週2回) :プラセボを2週に1回皮下投与

主要評価項目

24週時点でのNASHの増悪を伴わない肝線維化の改善 (1ステージ以上の低下と定義) およびNASH消失

研究結果

肝線維化の改善の基準を満たした患者の割合

  • プラセボ統合群:7%
  • pegozafermin 15mg群:22% (プラセボ群との差:14%ポイント、 95%CI -9-38)
  • pegozafermin 30mg群:26% (プラセボ群との差:19%ポイント、 95% CI 5-32、 P=0.009)
  • pegozafermin 44mg群:27% (プラセボ群との差:20%ポイント、 95% CI 5-35、 P=0.008)

NASH消失の基準を満たした患者の割合

  • プラセボ統合群:2%
  • pegozafermin 15mg群:37% (プラセボ群との差:35%ポイント、 95%CI 10-59)
  • pegozafermin 30mg群:23% (プラセボ群との差:21%ポイント、 95%CI 9-33)
  • pegozafermin 44mg群:26% (プラセボ群との差:24%ポイント、 95%CI 10-37)

安全性評価

治療に関連する有害事象として、 悪心と下痢の頻度が高かった。

結論

pegozaferminの投与は、 肝線維化の改善をもたらした。 これらの結果はpegozaferminを第Ⅲ相の開発段階に進行させることを支持している。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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