海外ジャーナルクラブ
2年前
Van Oekelenらは、 B細胞成熟抗原 (BCMA) 標的CAR-T療法後に病勢が進行した多発性骨髄腫 (MM) 患者を対象に、 サルベージ治療と転帰を評価。 その結果、 BCMA標的CAR-T療法後に再発したMM患者の転帰は限定的であるが、 複数ラインのサルベージ療法で治療できる可能性があることが示唆された。 本研究は、 Blood誌において発表された。
本研究の対象患者の全ては、 もともと何らかの臨床研究に参加していた患者ということです。 今後の臨床研究は、 個々の研究のみならず、 さまざまな臨床研究結果を横断的に解析するような壮大な枠組みづくりが注目されていくように思います。
現在、 FDAから承認されたBCMA標的CAR-T療法が2つ存在する。 しかし、 初期の奏効率が高いにもかかわらず、 ほとんどの患者は最終的に再発する。 再発患者の転帰は包括的に研究されておらず、 このような分析は最適な治療戦略を定るのに役立つと考えられる。
BCMA標的CAR-T療法による治療後に病勢が進行したMM患者79人のサルベージ治療と転帰を分析。
CAR-T療法後のサルベージ治療は合計237ライン行われ、 患者は中央値2 (範囲 1~10) の治療ラインを受けた。
CAR-T療法後の再発日からの全生存期間の中央値:17.9カ月 (95%CI 14.0-NE)。
最初のサルベージレジメンに対する全奏功率:43.4%
無増悪生存期間中央値:3.5カ月 (95%CI 2.5-4.6)
サルベージ治療として44.3% (35名) の患者が、 T細胞誘導療法 (二重特異性抗体またはCAR-T) を受けたが、 全生存期間は追跡期間中央値21.3カ月で未達であった。
BCMA標的CAR-T後に再発したMM患者の転帰は限定的であるが、 複数ラインのサルベージ療法で治療できる可能性がある。 T細胞誘導療法は、 このような状況においても顕著な臨床活性を維持するようである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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