海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Janjigianらは、 切除不能な進行性または転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌において、 ニボルマブ (NIVO) と化学療法 (chemo) の併用療法の効果を、 chemo単独を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CheckMate 649の3年フォローアップデータを報告した。 その結果、 NIVO+chemoの併用療法の長期的な臨床的有効性と忍容性が示された。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
公的研究費の場合にはなかなか長期アウトカム調査がグラント期間の関係で難しいのですが、 本研究のような企業グラントの場合には問題なく可能となります。 JCOは、 長期アウトカム掲載を積極的に行っています。
【CheckMate 649試験】胃 / 食道胃接合部 / 食道腺癌に対するニボルマブ+化学療法
臨床試験には複数のエンドポイントが含まれることが多く、 そのエンドポイントは異なる時期に成熟する。 通常、 主要評価項目に基づく最初の報告は、 計画された主要評価項目や副次的評価項目がまだ得られていない段階で発表されることがある。
未治療の切除不能な進行性または転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌患者
PD-L1 CPS≧5の患者における全生存期間 (OS) および無増悪生存期間 (PFS)
客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間
OS
HR 0.70 (95%CI 0.61-0.81)
36ヵ月時点でのOS率
NIVO+chemo群 : 21%
chemo群 : 10%
PFS
HR 0.70 (同 0.60-0.81)
36ヵ月時点でのPFS率
NIVO+chemo群 : 13%
chemo群 : 8%
ORR
NIVO+chemo群 : 60% (同 55-65%)
chemo群 : 45% (同 40-50%)
奏効期間中央値
NIVO+chemo群 : 9.6ヵ月 (同 8.2-12.4ヵ月)
chemo群 : 7.0ヵ月 (同 5.6-7.9ヵ月)
未治療で切除不能な進行性または転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌患者のPD-L1 CPS≧5の集団において、 NIVO+chemoの併用療法は、 chemo単独と比較して臨床的に意義のある長期生存ベネフィットが維持され、 忍容性も良好であることが示された。 このことより、 NIVO+chemoの併用療法は切除不能な進行性・転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌患者の標準的な1次治療としての継続使用が支持される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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