HOKUTO編集部
11ヶ月前

ロシュ社は5月13日、 HER2陽性早期乳癌の術後療法として抗HER2抗体ペルツズマブ+抗HER2抗体トラスツズマブ+化学療法併用の有効性および安全性をプラセボ+トラスツズマブ+化学療法を対照に検証した第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験APHINITYの長期追跡結果 (中央値11.3年) を発表した。
APHINITY試験では、 根治手術を受けたHER2陽性の浸潤性乳癌患者4,805例が、 ペルツズマブ群とプラセボ群に1 : 1で無作為に割り付けられ、 ペルツズマブ群にはペルツズマブ初回840mg、 2回目以降は420mgを3週ごと+トラスツズマブを最大18サイクル投与し、 タキサン系薬剤を含む化学療法が併用された。
10年全生存 (OS) 率は、 プラセボ群の89.8%に対しペルツズマブ群では91.6%であり、 死亡リスクが17%低減した (HR 0.83、 95%CI 0.69-1.00、 p=0.044)。
OSのサブグループ解析では、 リンパ節転移陽性の集団において、 ペルツズマブ群で死亡リスクが21%低減しており (HR 0.79、 95%CI 0.64-0.97)、 高リスク群においてペルツズマブ併用療法がより有益であることが示唆された。
主要評価項目である無浸潤疾患生存期間 (IDFS) の延長は10年後も維持されており (HR 0.79、 95%CI 0.68-0.92)、 既報の結果が裏付けられた。 一方、 リンパ節転移陰性の集団ではIDDの延長は認められなかった。
新たな安全性シグナルは認められず、 心臓関連の安全性プロファイルも以前の試験結果と一致していた。
以上より、 10年追跡の結果、 ペルツズマブ併用によりOSの有意な改善が示された。 また、 リンパ節転移陽性のサブグループではIDFSの有益性が継続した一方で、 リンパ節転移陰性のサブグループでは認められなかった。 心臓の安全性に関する新たな懸念は現れなかった。
本試験の結果より、 HER2陽性早期乳癌の術後療法におけるペルツズマブ併用の有益性がさらに支持された。
同試験結果の詳細は、 欧州臨床腫瘍学会乳癌会議 (ESMO Breast Cancer 2025) で報告されている。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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