【Lancet】FUS変異ALS、 jacifusenで機能回復例も
著者

海外ジャーナルクラブ

16日前

【Lancet】FUS変異ALS、 jacifusenで機能回復例も

【Lancet】FUS変異ALS、 jacifusenで機能回復例も
Shneiderらは、 16~45歳のFUS遺伝子変異による筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者およびALSと診断されていないFUS変異保因者*の12例を対象に、 FUS pre-mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤であるjacifusenの髄腔内への用量漸増投与 (20-120mg/月) **による安全性および有効性を、 米国およびスイスの多施設共同非盲検症例集積研究で評価した。 その結果、 最も多く認められた有害事象は背部痛 (6例)、 頭痛 (4例)、 悪心 (3例)、 腰椎穿刺後頭痛 (3例) であり、 軸索損傷および神経変性のバイオマーカーであるCSF中のニューロフィラメント軽鎖 (NfL) 濃度は、 治療開始6ヵ月時に最大82.8%低減した。 また、 ほとんどの参加者で筋萎縮性側索硬化症の機能評価スケール改訂版 (ALSFRS-R) 評価による機能低下が持続したが、 1例は10ヵ月時これまでにない客観的な機能回復を示し、 別の1例は無症候性のままで筋電図異常の改善が認められた。
*ALSの診断を受けていない場合でも、 FUS変異を保因し、 運動ニューロン疾患の発症または電気生理学的異常の臨床的エビデンスを有していれば対象とした。 一方で長期にわたり気管切開を伴う人工呼吸器による管理を受けている患者は対象外とした
**得られた安全性およびその他のデータを踏まえてプロトコルが段階的に修正され、 最後に登録された参加者は開始時から120mg/月投与となった

📘原著論文

Antisense oligonucleotide jacifusen for FUS-ALS: an investigator-initiated, multicentre, open-label case series. Lancet. 2025 Jun 7;405(10494):2075-2086. PMID: 40414239

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

臨床的有効性の解釈が難しいですが、 Lancet特有のInterpretationには 「The findings suggest possible efficacy of jacifusen for treating FUS-ALS」 と記載されるに留まっています。

関連コンテンツ

🔢ALSFRS-R

筋萎縮性側索硬化症の機能評価スケール改訂版

ALS、 リルゾール+低用量IL-2でOS有意に改善

Lancet. 2025 May 24;405(10492):1837-1850.

sigma-1受容体作動薬pridopidine、 ALSの進行抑制せず

JAMA. 2025 Feb 17;333(13):1128-1137.

金ナノ結晶の経口懸濁液CNM-Au8、 ALSの進行抑制せず

JAMA. 2025 Feb 17;333(13):1138-1149.

ポストのGif画像
【Lancet】FUS変異ALS、 jacifusenで機能回復例もの全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【Lancet】FUS変異ALS、 jacifusenで機能回復例も