【ZUMA-2】再発・難治性MCL患者へのKTE-X19投与、3年後も持続的奏効を維持 (J Clin Oncol)
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【ZUMA-2】再発・難治性MCL患者へのKTE-X19投与、3年後も持続的奏効を維持 (J Clin Oncol)

Wang Mらは、 再発・難治性マントル細胞リンパ腫 (MCL) 患者を対象に、 Brexucabtagene autoleucel (KTE-X19) によるCAR-T細胞療法の有効性を評価したZUMA-2試験の3年間の追跡調査後の結果を報告した. その結果、 KTE-X19が再発/難治性MCL患者において持続的な奏効を示し、 高リスク型サブグループにおいても有益な可能性が示唆された. 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された.

背景

KTE-X19によるCAR-T細胞療法は、 再発・難治性MCLの治療薬として承認されている. 再発・難治性MCLに対するKTE-X19の有効性を評価したZUMA-2試験における3年間の追跡調査後の結果について解析した.

研究デザイン

  • BTKi投与歴を含む1~5回の前治療歴を有する再発・難治性MCL患者が対象.
  • KTE-X19 (2×10⁶ CAR-T細胞/kg) を単回点滴投与.

研究結果

有効性評価

68例がKTE-X19による治療を受けた (追跡期間中央値35.6カ月)

  • 客観的奏効率:91% (95%CI 81.8~96.7)
  • 完全奏効率:68% (95%CI 55.2~78.5)
  • 奏効期間中央値:28.2 ヶ月 (95%CI 13.5~47.1)
  • 無増悪生存期間中央値:25.8 ヶ月 (95%CI 9.6~47.6)
  • 全生存中央値:46.6 ヶ月 (95%CI 24.9~推定不能)

<事後解析>

  • 事後解析では、 客観的奏効率および継続的奏効率は、 BTKi投与歴や高リスク群といったサブグループ間においても一貫していた.
  • 探索的解析では、 ベンダムスチンの投与歴がある患者はKTE-X19の恩恵を受けたが、 T細胞の機能が低下する傾向が見られた (白血球除去療法から6カ月以内と12カ月以内のベンダムスチンの投与がより影響を及ぼした).

安全性評価

  • 遅発毒性はまれであり、 治療起因性の有害事象は追跡期間中に3%しか発生しなかった.

結論

これらのデータは、 MCL患者におけるCAR-T細胞療法の最長の追跡調査である. KTE-X19が再発・難治性MCL患者において安全で持続的な奏効を示し、 高リスク型サブグループにも利益をもたらす可能性が示唆された.

原著

Wang M, et al, Three-Year Follow-Up of KTE-X19 in Patients With Relapsed/Refractory Mantle Cell Lymphoma, Including High-Risk Subgroups, in the ZUMA-2 Study. J Clin Oncol. 2022 Jun 4;JCO2102370.PMID: 35658525

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
今回は3年間の追跡ですが、PICSに代表されるように長期アウトカムはどの領域でも注目されています. 更なる追跡調査期間での報告が期待されます. 日常診療での効果、”効く”とは何なのか、が問われていると思います.
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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