海外ジャーナルクラブ
2年前
Andersen-Ranbergらは、 急性疾患でICUに入院したせん妄の成人患者を対象に、 ハロペリドールの静脈内投与の効果を検討する多施設共同盲検プラセボ対照試験を実施 (AID-ICU試験)。 その結果、 ハロペリドールによる治療は、 プラセボと比較して90日後の院外生存日数を有意に増加させることはなかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
主要評価項目が院外生存日数なので、 あまりピンと来ません。 死亡率はハロぺリドール群で有意に低く、 入院日数はやや長いようです。 本研究成果を実臨床にどう落とし込めばよいか、 knowledge translationが非常に難しい研究です。
ハロペリドールはICU患者のせん妄の治療に頻繁に使用されるが、 その効果に関するエビデンスは限られている。
急性疾患でICUに入院したせん妄の成人患者
患者を以下の2群に無作為に割り付け。
ハロペリドールまたはプラセボは、 ICU においてせん妄が継続する限り、 また再発時に必要に応じて投与された.
無作為化後90日目における院外生存日数。
合計1000人の患者が無作為化を受け、 987名 (98.7%) が最終解析に含まれた
90日時点の生存・通院日数の平均(P=0.22)
90日後の死亡率
重篤な副作用
ICUに入院中のせん妄患者において、 ハロペリドールによる治療は、 プラセボと比較して90日後の院外生存日数を有意に増加させることはなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。