海外ジャーナルクラブ
18日前

弘前大学大学院泌尿器科学講座の浅沼ひまわり氏らの研究グループは、 非転移性去勢抵抗性前立腺癌 (nmCRPC) 患者を対象に、 アンドロゲン受容体シグナル阻害薬 (ARSI) の初回投与量が有効性、 安全性、 費用対効果に及ぼす影響を、 多施設共同後ろ向き研究で評価した。 その結果、 ARSIの減量投与は通常量投与と同等の腫瘍学的転帰を示し、 医療費削減につながる可能性も示唆された。 本研究はProstate誌において発表された。
減量ARSIは高齢者やフレイル患者、 併存疾患を有する患者に処方されやすく、 適応による交絡 (confounding by indication) が生じた可能性があります。
ARSIの導入により、 nmCRPCに対する全身治療は大きく変化した。 一方で、 ARSIによる治療では一定の有害事象 (AE) や高額な医療費が課題となる。 こうした背景から、 忍容性の改善および医療費削減を目的にARSIの減量投与が潜在的な治療戦略として提案されている。 しかし、 nmCRPC患者におけるARSI減量投与の有効性、 安全性、 費用対効果は十分に明らかになっていない。
多施設共同後ろ向き研究において、 ARSI治療を受けたnmCRPC患者251例が、 ARSIの初回投与量に基づき以下の2群に分類された。
評価項目は、 前立腺特異抗原無増悪生存期間 (PSA-PFS)、 無転移生存期間 (MFS)、 全生存期間 (OS)、 ARSIの初回治療におけるAEおよび月間医療費であった。
PSA-PFS、 MFS、 OSはいずれも、 減量群と通常量群の間で有意差は認められなかった (PSA-PFS p=0.307、 MFS p=0.199、 OS p=0.287)。
多変量解析においても、 ARSIの初回投与量はMFSと有意な関連を示さなかった (p=0.984)。
全GradeおよびGrade3以上のAE発現率は、 いずれも両群間で有意差が認められなかった (全Grade p=0.171、 Grade3以上 p=1.000)。
一方、 ARSIの初回治療における月間費用中央値は、 減量群が998ドル、 通常量群が1,644ドルであり、 減量群で有意に低かった (p<0.001)。
著者らは 「nmCRPC患者において、 ARSIの減量投与は通常量投与と同等の腫瘍学的転帰を示し、 医療費削減につながる可能性も示唆された。 本コホートで多数を占めた高齢患者など、 特定の患者集団において、 減量投与が治療選択肢として検討される可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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