HOKUTO通信
21日前

地域枠医師に課される 「9年義務」 の運用が、 留学や育児などに合わせて柔軟化される可能性が出てきた。 出産や育児などのライフイベント、 大学院進学、 海外留学などに配慮し、 キャリア形成プログラムの一時中断を可能とする見直し案が検討されている。
見直し案が示されたのは、 厚生労働省が2026年7月31日に開催した第15回 「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」。 報道などによると、 議論は年内のとりまとめを目指す。
臨時定員に設けられた地域枠は、 卒業直後から当該都道府県内で9年間以上の勤務を義務とし、 このうち4年間程度は、 医師の確保を特に図るべき区域等での勤務が求められる。
2008~2023年度の地域枠入学者全体1万4173人のうち、 579人が従事要件から離脱していた。 離脱率は累計で4.1%だった。 離脱とは別に、 2023年度までに医師国家試験に合格した地域枠等の医師7950人では、 588人 (7.4%) が義務の履行を一時的に中断していた。 中断は離脱ではなく、 専門研修や大学院進学などで義務履行を一時的に止めている状態を指す。 中断は臨床研修修了後に増える傾向がみられた。
資料は今後の検討事項として、 以下の3点を挙げた。
見直し案では、 一時中断を認める事由は都道府県が設定するとした。 報道などによると、 留学や専門医資格を取るための猶予期間を設ける案がある。
修学資金に地域医療介護総合確保基金を活用する場合、 義務年限は原則として就業開始後9年間以上か、 貸与期間の1.5倍以上の期間とすることが要件となる。 また、 家族の介護などやむを得ない事情がある場合を除き、 プログラムの満了を修学資金の返還免除要件とすることを都道府県に求めている。 必要な地域枠等は原則として恒久定員内で設置する方向も示した。
資料では、 高知県の運用が既存事例として示された。 高知県は臨床研修修了後15年以内を猶予期間として設定し、 育児や介護、 本人の病気、 必須の場合の県外施設での専門研修、 国内外への留学などを一時中断の事由としている。
今後の地域枠等の運用について(案)(第15回 医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会 資料2-1・厚生労働省・2026年7月31日)

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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