HOKUTO編集部
6ヶ月前

根治的化学放射線療法 (dCRT) 後に病勢進行のない切除不能食道扁平上皮癌 (ESCC) を対象に、 抗TIGIT抗体tiragolumab+抗PD-L1抗体アテゾリズマブ併用療法、 およびアテゾリズマブ単剤の有効性と安全性を、 プラセボを対照に評価した第III相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験SKYSCRAPER-07の結果から、 tiragolumab+アテゾリズマブはPFSを改善しなかった。 一方、 アテゾリズマブ単剤でPFSとOSの改善効果が示唆された。 英・The Royal Marsden NHS Foundation TrustのI. Chau氏が発表した。
切除不能な局所進行ESCCの標準治療はdCRT後の経過観察である一方で、 dCRTが腫瘍微小環境を変化させ、 後続の免疫療法の効果を高める可能性が示唆されている。 TIGITは活性化T細胞等に発現する免疫チェックポイントであり、 tiragolumabとアテゾリズマブの併用効果が期待されている。
対象は、 dCRT後に病勢進行を認めない切除不能なStage II-IVAまたはIVB (鎖骨上リンパ節転移のみ) の局所進行ESCC患者だった。
760例が以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。 治療は各群で最大17サイクル継続した。
主要評価項目はtira+atezo群 vs プラセボ群の担当医評価によるPFSおよびOSと、 atezo群 vs プラセボ群のOSだった。
本試験では階層的検定が用いられ、 主要評価項目は担当医評価によるPFS (tira+atezo群 vs プラセボ群)、 OS (tira+atezo群 vs プラセボ群)、 OS (atezo群 vs プラセボ群) の順で評価された。
追跡期間中央値は25.0ヵ月であり、 患者背景は3群間で概ねバランスが取れていた。 PD-L1陽性 (PD-L1 TAP≧10%) は、 tira+atezo群で36.6%、 atezo群で36.0%、 プラセボ群で36.0%だった。
PFS中央値は、 tira+atezo群が20.8ヵ月 (95%CI 13.9-28.8ヵ月)、 プラセボ群が16.6ヵ月 (同 11.2-19.4ヵ月) であり、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.82 [同 0.65-1.03]、 p=0.0947)。 このため、 以降の評価は記述的分析となった。
atezo群のPFS中央値は29.1ヵ月 (同 19.0-36.3ヵ月) であり、 プラセボ群と比較して改善効果を認めた (HR 0.74 [同 0.58-0.93]、 p=0.0113)。 24ヵ月PFS率は、 tira+atezo群が46.7%、 atezo群が52.8%、 プラセボ群が40.9%だった。
OS中央値は、 tira+atezo群で38.6ヵ月 (95%CI 28.8ヵ月-NE) であり、 プラセボ群の36.4ヵ月 (同 25.8ヵ月-NE) と比べ差はなかった (HR 0.91 [同 0.70-1.18]、 p=0.4772)。
一方、 atezo群のOS中央値はNEで、 プラセボ群に対し改善効果を示した (HR 0.69 [同 0.52-0.91]、 p=0.0085)。 OSサブグループ解析では、 PD-L1陽性 (PD-L1 TAP≧10%) 集団でatezo群の良好な傾向が示された (HR 0.35 [同 0.21-0.57])。
24ヵ月OS率は、 tira+atezo群が59.9%、 atezo群が69.1%、 プラセボ群が59.4%だった。
tira+atezo群とatezo群の比較では、 PFS (HR 1.13 [95%CI 0.89-1.44]、 p=0.3223) とOS (HR 1.36 [同 1.03-1.80]、 p=0.0314) のいずれにおいても両群間で有意差は認められなかった。
Grade 3~4の治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は、 tira+atezo群が16.1%、 atezo群が9.6%、 プラセボ群9.6%だった。 AEによる治療中止率は、 それぞれ9.1% / 6.8% / 4.0%だった。
Chau氏は 「局所進行ESCCにおいて、 dCRT後の治療としてtiragolumab+アテゾリズマブを投与してもPFSとOSの改善は認められなかった。 一方で、 アテゾリズマブ単剤では、 dCRT後の治療として初めてPFSおよびOSの改善が認められた」 と報告した。
ESCCの1次治療、 tira+atezoでOS・PFS改善
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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