HOKUTO編集部
3ヶ月前
日本救急医学会は、 高齢者救急に関連する種々の団体と共同で、 高齢者救急医療の多岐にわたる課題と関係者に対する具体的な改善策を示した 「高齢者救急問題の現状とその対応策についての提言2024」、 および高齢者救急に関する用語の誤用防止を目的とした統一概念を示した 「高齢者救急に関する用語の統一概念」 を策定。 2025年2月号の同学会雑誌に掲載し、 同学会公式サイトでもその旨を発表した。
現在、 高齢者救急医療は、 関係者すべてにとって大きな課題であり、 社会としての対応が急務である。 そこで、 「高齢者救急問題の現状とその対応策についての提言2024」では、 その現状と課題解決に向けて関係者が実施すべき具体的な対応策が提言として示された。
関係者としては以下が挙げられており、 それぞれの立場に応じた提言内容となっている。
DNAR (do not attempt resuscitation) は、 「患者本人または患者の意思を推定できる者の意思決定に沿って、 心停止の際に心肺蘇生法 (CPR) を行わないこと」 であるが、 同提言では、 医療従事者において 「DNAR」 の提示があれば積極的な医療を行わなくてよいと誤認するなど、 臨床現場で誤って使用されていることも少ないことが指摘されている。
また 「DNAR」 はあくまでも心停止時の対応であり、 心停止でない急変時に救命処置を行わなくてよいということではないと注意喚起されている。
さらに医療従事者において高齢者救急に関する用語が誤用され、 臨床現場が混乱することがあるため、 同学会らはDNARやACP (アドバンス・ケア・プランニング) などの関連する用語の統一概念の検討を行い、 「高齢者救急に関する用語の統一概念」 を策定した。
「⼼停⽌ (Cardiac arrest,⼼肺停⽌CPA: cardiopulmonary arrest) 」「予想しない急変」 「事前指⽰(advance directives)」 など、 大きく15の項目について定義が端的に示されており、 国内だけでも複数の定義が示されているACPに関しては一覧として示されている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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