亀田総合病院
11ヶ月前
亀田総合病院のリウマチ・膠原病・アレルギー内科による新連載が始まります。 第1回は、 「膠原病に興味がある、 これから膠原病を勉強したい若手医師」 に向け、 国内外のおすすめ学会をご紹介します。 (解説医師 : 亀田総合病院 六反田諒氏)
その他 : 日本リウマチ学会支部学術集会
年に1回開催される、 日本リウマチ学会主催の総会・学術集会です。 日本国内におけるトップランナーの先生方が一同に会すため、 「日本語で勉強するならば最もおすすめの学会」 です。
会期中の 「教育研修講演」 や、 本会前後に開催される 「アニュアルコースレクチャー*」 など初学者向けの講演は特におすすめです。 膠原病を専攻することを決めている方は 「関節エコーライブ&ハンズオン*」 や、 少人数制で直接エキスパートとディスカッションができる 「Meet the Expert*」 にもぜひ参加してみてください。
また、 医学生・初期研修医のみが発表する 「近未来のリウマチ医セッション」 や、 卒後10年以内が知識と臨床力を競う 「リウマトロジー・チャンピオンシップ」 など、 若手が活躍する場も設けられており、 同世代の仲間と刺激し合うことができるのではないかと思います。
会期 : 2024年 4月18日(木)~20日(土)
会場 : 神戸コンベンションセンター
会長 : 髙木 理彰 (山形大学医学部 整形外科学講座 教授)
EULARは一言で表現するならば 「リウマチ・膠原病領域で最大かつ最も国際色豊かな学会」 です。 もともとは欧州各国から集まる学会として発足しましたが、 現在はアジア・アフリカ・オセアニアなどを含む全世界から発表者・参加者が集まります。
学会誌はリウマチ・膠原病領域のトップジャーナルである 「Annals of the Rheumatic Diseases (ARD) 」 であり、 同誌で論文化されるEULARの治療推奨や分類基準などは公表前の先出し情報としてEULARで発表されています。 またときに作成過程のディスカッションも経験することができ、 世界のリウマチ膠原病研究の大きな流れを知ることができます。
言語に関しても比較的寛容で、 強い訛りや文法的間違いを物ともせずに発表する参加者を見ると勇気づけられますし、 英語がネイティブの演者も比較的聞き取りやすいように話してくれることが多い印象です。 近年ではほとんどのセッションが録画され、 オンデマンドで配信されますのでオンラインでの参加でも十分に勉強することができます。
会期 : 2024年 6月12日(水)~15日(土)
会場 : Messe Wien Congress Center
ACRは 「リウマチ・膠原病領域で世界最先端の学会」 と言えるのではないかと思います。 EULARと同様に全世界からの発表・参加がありますが、 やはり米国内からの発表が多くその質・量に圧倒されます。
学会誌は 「Arthritis & Rheumatology」 であり、 ACRによる治療の推奨や分類基準などが数多く発表されています。 研究発表やディスカッションのレベルが高く、 英語もネイティブのペースで話されるためついていくのは大変ですが、 リウマチ・膠原病領域の研究の最先端を知るまたとない機会であり、 参加する価値は十分にあります。
コロナ禍以前からセッション録画や資料ハンドアウトがありましたが、 近年さらに充実し多くのセッションがオンラインで同時配信され、 セッション終了後1-2日以内にアーカイブ視聴可能になるなど、 オンライン参加のシステムも充実しています。 難点として近年参加費が非常に高い (日本円にして20万円近くの場合も!) ことが挙げられますが、 研修医では格安になる優遇措置があります。
会期 : 2024年 11月14日(木)~19日(火)
会場 : Walter E. Washington Convention Center in Washington, DC
ここまでご紹介したような大きな学会は敷居が高いと思われる方は、 初めの一歩として日本リウマチ学会の支部学術集会に参加されてはいかがでしょうか。
日本リウマチ学会では国内を6つの支部 (北海道・東北、 関東、 中部、 近畿、 中国・四国、 九州・沖縄) に分け、 各支部が年1回、 それぞれの支部学術集会を開催しています。 総会と比較すると症例報告の比率が高く、 日常臨床の中に活かせるヒントが得られることでしょう。 また、 近隣県の若手が発表・参加しているため、 同じ地域で切磋琢磨できる仲間が見つけられるかもしれません。
各支部学術集会の開催日・会場等はこちら
以上、 国内外の大きな3学会と支部学術集会をご紹介しました。 学会では最先端のトピックスから教育的な講演まで幅広い内容を勉強することができ、 何より直接質問やディスカッションができることが大きな魅力です。 ぜひ参考としてみて下さい。
2019年4⽉、 前任から引継ぎ現在の体制となり、 若⼿医師が研鑽に集まるようなチーム運営を⽬指しています。 2019年4⽉の⽴ち上げ時には部⻑含め3⼈でスタートし、 2024年2⽉現在はスタッフ5人、 専攻医2人の体制となっています。 毎日開催の勉強会、 海外直伝のエコー診療など誰が来ても必ず勉強になる環境を整えています。
興味のある先⽣はぜひrokutanda.ryo@kameda.jpまでご連絡ください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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