海外ジャーナルクラブ
2年前
Chengらは、 ステージⅢの大腸癌患者を対象に、 炎症性バイオマーカーと生存期間の関連をコホート研究で検討。 その結果、 ステージⅢの大腸癌患者において、 診断後の高い炎症が生存成績の悪化と有意に関連することがわかった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
Limitationに記載されていないのですが、 血液サンプルの採取期間のばらつきが研究結果に大きな影響を与えているのでは、 と推察されます。 術後6.9 weeks (IQR, 5.6-8.1 weeks)ということですが、 IL-6,TNF-α,CRP共に急激な変化を伴うバイオマーカーです。
慢性炎症と大腸癌の再発および死亡との関連は十分に理解されておらず、 十分にデザインされた大規模な前向きコホートからのデータも限られている。
炎症性バイオマーカーアッセイに使用可能な血漿サンプルを有するステージⅢの大腸癌患者:1,494名
術後3~8週後、 化学療法開始前にアッセイされた血漿炎症性バイオマーカー
(IL-6、 sTNF-αR2、 hsCRP)
無病生存率 (DFS)
無再発生存率 (RFFS)、 全生存率 (OS)
炎症の五分位が最も低い患者と比較して、 五分位が最も高い患者では、 再発または死亡のリスクが有意に高かった。
炎症性バイオマーカーとセレコキシブ投与との間にDFSについての有意な相互作用は認められなかった。
RFSとOSについても同様の結果であった。
ステージⅢの大腸癌患者において、 診断後の高い炎症が生存成績の悪化と有意に関連することがわかった。 抗炎症介入によって大腸癌の転帰が改善されるかどうかを評価するために、 さらなる調査を必要とするものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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