海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Xuらは、 前立腺癌患者および非罹患者 (対照群) を対象に、 生殖細胞系列遺伝子検査においてNCCNガイドラインが推奨する前立腺癌関連遺伝子を、 UKバイオバンクおよび米・ジョンズ・ホプキンス大学医学部のデータから抽出したエビデンスに基づき評価した。 その結果、 推奨遺伝子のうちごく一部のみで、 生殖細胞系列病原性/病原性疑い (P/LP) 変異が前立腺癌リスクと有意な関連性を示すことが明らかとなった。 本研究はProstate誌において発表された。
NCCN基準に基づく遺伝子検査ではP/LP変異保持者の最大42%が見逃される可能性があり、 全前立腺癌患者への普遍的な遺伝子検査が議論されています。
前立腺癌患者のおよそ50%は、 診断時にNCCNガイドラインが定める生殖細胞系列遺伝子検査の対象となる。 しかし、 検査対象遺伝子の選定、 それを裏付けるエビデンス、 および臨床的解釈については依然として十分に検討されていない。
前立腺癌患者2万2,052例および非罹患者19万1,055例を対象に、 生殖細胞系列遺伝子検査においてNCCNガイドラインが推奨する前立腺癌関連遺伝子を、 UKバイオバンクおよびジョンズ・ホプキンス大学医学部のデータから抽出したエビデンスに基づき評価した。
各遺伝子における生殖細胞系列P/LP変異と前立腺癌リスクとの関連性を、 年齢および遺伝的背景を調整したロジスティック回帰分析を用いて検討した。
NCCNが推奨する前立腺癌関連11遺伝子のうち、 5つの遺伝子 (HOXB13、 BRCA2、 ATM、 CHEK2、 MSH2) の生殖細胞系列P/LP変異が前立腺癌リスクと有意に関連していた (p<0.0045)。 さらに、 BRCA2およびATM変異は前立腺癌の悪性度とも有意に関連していた。
また、 NCCNが推奨する19のPARP阻害薬感受性関連遺伝子のうち、 BRCA2変異患者ではPARP阻害療法に対する反応性増強が一貫したエビデンスで支持された一方で、 BRCA1についてはエビデンスが弱く、 その他の遺伝子については支持されるエビデンスが限定的であった。
BRCA2およびBRCA1の生殖細胞系列P/LP変異の頻度は、 無作為に抽出された前立腺癌患者においてそれぞれ0.77%および0.14%であった。
特筆すべきことに、 体細胞変異に比べてはるかに稀な生殖細胞系列変異に対する治療効果を具体的に評価した研究は発表されていなかった。
著者らは 「NCCNが推奨する生殖細胞系列遺伝子検査の対象となる前立腺癌関連遺伝子のうち、 ごく一部のみが統計的なエビデンスで支持された。 本解析結果は、 特に遺伝学の専門的訓練を受けていない泌尿器科医にとって、 臨床現場における前立腺癌のリスク評価、 予後予測、 治療方針決定のための生殖細胞系列検査を理解する上で有用である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。