海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Freemanらは、 急性再発性膵炎または慢性膵炎の小児患者を対象として、 膵酵素補充療法 が臨床転帰に及ぼす影響について、 後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 膵酵素補充療法開始後、 急性膵炎エピソード発生頻度は減少していた。 本研究はAm J Gastroenterolにおいて発表された。
後ろ向き研究でbiasが非常に強いため、 傾向スコアマッチング (Propensity Score Matching) などではなく、 関連性を見て今後の前向き研究が必要です、 という結論の書き方は非常に好意的に捉えられます。
急性再発性膵炎 (ARP) または慢性膵炎 (CP) の小児では、急性膵炎 (AP) エピソードは痛みを伴い、 しばしば入院を必要とし、 疾患の合併症や進行の一因となる。 現在、 APエピソードを予防するための介入法はない。 そこで本研究では、 膵外分泌機能の保たれているARPまたはCPの小児に膵酵素補充療法 (PERT) が及ぼす影響について検討した。
ARPまたはCPの小児 : 356例
後ろ向きコホート研究。
臨床転帰について以下のように比較した。
「PERTの開始後のAPエピソード」 と 「反応予測因子」 の関連について調査した。
p=0.005
p=0.008 vs CP
3.14から0.71に減少
p<0.001
この後ろ向き解析では、 膵外分泌機能が保たれているARPまたはCPの小児患者において、 膵酵素補充療法は急性膵炎発生率の低下と関連していたことから、 著者らは 「この結果は、 ARPまたはCPを有する小児の臨床転帰を改善するため、 膵酵素補充療法の有効性を評価する臨床試験の必要性を支持するものである」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。