海外ジャーナルクラブ
16日前
Elezらは、 BRAF V600E変異を有する転移性大腸癌への1次療法として、 エンコラフェニブ+セツキシマブ (EC) +mFOLFOX6の有効性および安全性を検討する第Ⅲ相試験BREAKWATERを実施。 その中間解析結果において、 EC+mFOLFOX6群での無増悪生存期間 (PFS) は12.8ヵ月、 全生存期間 (OS) は30.3ヵ月となり、 標準治療に対して有意な延長が示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。
PFSとOSの中央値は標準治療の約2倍に達し、 特にPFSでは早期からグラフが分離するなど迅速な臨床効果が確認されています。
BRAF V600E変異を有する転移性大腸癌は、 予後不良で進行が早いとされている。 この患者に対する1次治療について、 エンコラフェニブ+セツキシマブ (EC) 単独、 EC+mFOLFOX6、 標準治療 (化学療法±ベバシズマブ) の3群を比較するBREAKWATER試験を実施したところ、 主要評価項目の1つである客観的奏効率 (ORR) においてEC + mFOLFOX6の標準治療に対する有意性が認められた (OR 2.44、 片側p<0.001)。 これを受けてEC + mFOLFOX6治療は、 BRAF V600E変異を有する転移性大腸癌への1次治療としてFDAの迅速承認を受けた。
今回は、 上記試験の他の主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS) に関する、 最新の中間解析データが報告された。
EC+mFOLFOX6群は、 標準治療群に比して、 PFSおよびOSを有意に延長した。
進行および死亡に関するHR 0.53 (95%CI 0.41-0.68、 p<0.001)
死亡に関するHR 0.49 (95%CI 0.38-0.63、 p<0.001)
なお、 治療中の重篤な有害事象の発現率は、 EC + mFOLFOX6群で46.1%、 標準治療群で38.9%であり、 安全性プロファイルは各治療に用いられた薬剤において既に認知されているものであった。
BRAF V600E陽性mCRCへのエンコラフェニブ+セツキシマブ併用でORR改善
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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