著者

海外ジャーナルクラブ

31日前

【JAMA Surg】敗血症の6時間以内のソースコントロールで90日死亡リスク低下

Reitzらは, Sepsis-3で定義された市中感染性敗血症患者を対象に, ソースコントロール (感染源の制御) までの時間と患者の転帰を多病院合同医療システムコホート研究で検討. その結果, 市中感染性敗血症の発症から6時間以内の感染源対策は, 90日死亡のリスクの調整オッズ低下と関連していたことが明らかとなった. 本研究はJAMA Surg誌において発表された.

📘原著論文

Reitz KM, et al, Association Between Time to Source Control in Sepsis and 90-Day Mortality. JAMA Surg. 2022 Jul 13;e222761.PMID: 35830181

👨‍⚕️監修医師のコメント

この研究成果をどのように敗血症診療に落とし込むのか? これは医師それぞれで違っているくると思います. 本テーマは、 "倫理的"にRCTができないのです. 6時間以内のソースコントロールと、 6時間以後のソースコントロールを実臨床で比較試験はできません. なので、 このような観察研究結果を幅のある解釈で, 全ての敗血症患者に6時間以内のソースコントロールを必須とするのか, 消化管, 腹部, 軟部組織に限定して6時間以内のソースコントロールを目指すのか, さまざまだと思います. 科学的には後者の限定的な解釈が良いと思います. 当然ですが, 早い方が良いのですが, 実診療ではそうは行かないこともよくあると思います. また注意点として, 本研究の患者群はSOFAスコア平均3.8, 90日死亡15%と, 集中治療管理が必要な敗血症患者群ではやや軽症と言えると思います.

📱HOKUTO関連コンテンツ

🔢 SOFAスコア 🔢 qSOFA

🔢 SIRS スコア 🔢 APACHE II

🔢 SAPSⅡ 🔢 NEWS 🔢 NEWS2



研究背景

敗血症の患者転帰を改善するために, 迅速なソースコントロールが推奨されている. しかし, どの程度の速さでそれが必要かを示すデータはほとんどない.

研究デザイン

  • 対象:Sepsis-3で定義された市中感染性敗血症で,ソースコントロール処置を受けた入院中の成人患者4962名.
  • 敗血症発症後, 1~36時間のソースコントロールを早期 (6時間未満) と後期 (6~36時間) に分けて比較.
  • 主要評価項目:多変量モデルを病院レベルでクラスタリングし, 患者因子, 敗血症の重症度, リソースの利用可能性, 手技の生理的ストレスを調整し, 調整オッズ比 (aOR) および95%CIを算出した.

研究結果

  • 敗血症患者4,962名において, 敗血症発症後中央値 (IQR) 15.4時間 (5.5-21.7) でソースコントロールが行われ, 1,315例 (27%) が6時間以内にソースコントロールを受けていることが示された.
  • 90日の粗死亡率は, 早期および後期のソースコントロールで同程度であった (p=0.35).
  • 早期:177 (14%)
  • 後期:529 (15%)
  • 多変量モデルでは, 早期のソースコントロールは90日死亡率のリスク調整オッズの低下と関連していた (aOR 0.71)
(aOR 0.71, 95%CI 0.63-0.80)
  • この関連は, 整形外科および頭蓋内感染への介入 (aOR 1.33, 95%CI 0.96-1.83, 相互作用P<0.001) と比較して, 消化管および腹部 (aOR 0.56, 95%CI 0.43-0.80) および軟部組織感染への介入 (aOR 0.72, 95%CI 0.55-0.95) においてより大きかった.

結論

市中感染性敗血症の発症から6時間以内の感染源対策は, 90日死亡のリスク調整オッズの低下と関連していた. 敗血症病巣の迅速な特定とソースコントロールの開始を優先することで, 敗血症患者における回避可能な死亡数を減らすことができる.



こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師