【Chest】急性PEの30日死亡リスク識別能、AHA/ACC分類がESCを上回る
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3日前

【Chest】急性PEの30日死亡リスク識別能、AHA/ACC分類がESCを上回る

【Chest】急性PEの30日死亡リスク識別能、AHA/ACC分類がESCを上回る
Fanらは、 入院中の急性肺塞栓症 (PE) 患者を対象に、 2026年米国心臓協会/米国心臓病学会 (AHA/ACC) のガイドラインに基づく急性PEの臨床分類と2019年欧州心臓病学会 (ESC) のガイドラインに基づくリスク分類の短期予後の識別能を、 中国の三次医療機関の患者を対象とする後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 AHA/ACC分類はESC分類と比べて重症度の全範囲にわたって、 より高い予後識別能を示した。 また、 AHA/ACC分類はESC分類では高リスクに分類されないが実際には死亡リスクが著しく高い患者群を特定できた。 研究結果はChest誌に発表された。

📘原著論文

Comparative Short-Term Prognostic Discrimination of the 2026 AHA/ACC and 2019 ESC Risk Classifications in Hospitalized Acute Pulmonary Embolism: A Retrospective Two-Campus Cohort Study. Chest. 2026 Sep 29; S0012-3692(26)06718-8. Online ahead of print. PMID: 42810427

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

右室機能障害 (RVD) と心筋トロポニンの検査結果がそれぞれ12.4%、 45.5%で欠測しており、 ESCリスク分類の再構築に誤分類が生じた可能性があります。

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背景

AHA/ACCとESCで重症度の捉え方が異なる

2026年AHA/ACCガイドラインと2019年ESCガイドラインのPE分類は重症度の捉え方が異なる。 AHA/ACCでは無症候性のPEから心肺不全まで5段階で重症度を分類しているのに対し、 ESCでは血行動態の不安定性に基づき高リスクと定義している。 ただ、 AHA/ACCとESCの両分類の予後の識別能に違いがあるのかどうかについては、 これまで明らかにされていない。

研究デザイン

中国の三次医療機関で入院急性PE 2,251例を後ろ向きに解析

本研究は、 2013~25年に中国の三次医療機関の2拠点で治療を受けた急性PEの入院患者2,251例 (市中発症・院内発症を含む) を後ろ向きに解析したコホート研究である。 評価の起点は、 市中発症PEでは入院時、 院内発症PEでは症状発現時または最初に画像検査で客観的にPEが確認された時とした。

主要評価項目は30日全死亡率とし、 施設判定によるPE関連死亡率は事後解析として評価した。 AHA/ACCとESCの両分類の受信者動作特性曲線下面積 (AUC) を対応のあるDeLong検定*で比較し、 AHA/ACC分類のカテゴリーD-E**を解析上の高リスク閾値とした。

*同一患者集団で、 各分類の順序カテゴリーに基づくAUCを比較する検定
**AHA/ACC分類では無症候性PEから心肺不全まで重症度をカテゴリーA-Eの5段階で表す

結果

30日全死亡率に対するAUCはAHA/ACC分類がESC分類を上回る

30日以内に127例 (5.6%) が死亡し、 80例 (3.6%) がPE関連死亡と判定された。 30日全死亡率に対するAUCはAHA/ACC分類が0.885 (95%CI 0.858-0.912)、 ESC分類が0.763 (95%CI 0.721-0.806) であり、 ESC分類と比べてAHA/ACC分類で高かった (差0.122, 95%CI 0.084-0.160, p<0.001)。

事後解析のPE関連死亡率についても、 AUCはAHA/ACC分類が0.942、 ESC分類が0.826であり、 ESC分類と比べてAHA/ACC分類で高かった (差0.116, 95%CI 0.068-0.164, p<0.001)。

PE関連死亡の感度はAHA/ACC分類83.8%、 ESC分類58.8%

解析上の高リスク閾値において、 PE関連死亡に対する感度はAHA/ACC分類のカテゴリーD-Eが83.8%、 ESC分類の高リスク層が58.8%であった。 特異度はそれぞれ95.1%、 95.8%であった。

ESC中間リスク層にも死亡率の高い患者群が存在

AHA/ACC分類でカテゴリーD-Eに該当しながらESC分類では中間リスク層とされた37例では、 30日内に75.7%が死亡し、 54.1%がPE関連死亡であった。

AHA/ACC分類で最も重症と最も軽症を除外するとAUCの差は縮小

AHA/ACC分類のカテゴリーA (重症度が最も低い) とE (重症度が最も高い) を除外した解析では、 30日全死亡のAUCの差は0.112 (95%CI 0.038-0.186) に縮小した。

結論

AHA/ACC分類は死亡の層別化で良好な識別能を示す

著者らは、 「入院診療下において、 重症度の全カテゴリーを含めた解析ではAHA/ACC分類の死亡の識別能がESC分類を上回っており、 ESC分類では高リスクに分類されない死亡リスクの高い患者をAHA/ACC分類が拾い上げることが示された。 一方、 重症度の中間域ではAHA/ACC分類とESC分類の死亡の識別能の差は小さくなり、 両分類の差は重症度の分布に左右されることが明らかになった」と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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