ポイント
- 緑膿菌に対する活性を有する広域スペクトラムの抗菌薬.
- 第4世代セフェムであり第1世代+第3世代セフェム (緑膿菌) のイメージ.
- CTRXと同様に髄液移行性を有するため、 髄膜炎に用いることができる.
どんな細菌に効くの?
- 緑膿菌を含めたブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌に対して幅広くカバーすることができるため、院内関連感染で頻繁に用いられる.
- 腸内細菌に対しても効果を期待できる.
- 黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などのグラム陽性球菌に対しても活性を有する.
- AmpC過剰産生菌(Entrobacter, Citrobacterなど)に対しての第一選択薬.
- ✖️ ESBL産生菌や嫌気性菌には無効である.
日常臨床で使用する疾患例
- 緑膿菌による肺炎、 UTI、 カテーテル関連血流感染症などに対しての第一選択薬.
- 発熱性好中球減少症に対しての第一選択薬.
- 院内関連髄膜炎に対しての第一選択薬.
臨床使用例
- 1回 1-2g 8時間毎(1日3回)
- 髄膜炎の場合は2gを使用
使用上の注意点
セフェピム脳症のリスク
- 腎機能障害があるとセフェピム脳症のリスクであるため注意を要する.
- 中止すると改善する.
- 脳波で3相波を確認する.
参考商品名
最終更新:2022年5月16日
監修医師:聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公