海外ジャーナルクラブ
1年前
Northuisらは、 プロトンポンプ阻害薬 (PPI) の長期使用と認知症発症リスクの関連性をコホート研究で検討。 その結果、 PPIを長年使用している高齢者では認知症発症のリスクが高まる可能性があることが明らかとなった。 本研究は、 Neurology誌において発表された。
臨床研究結果を実臨床に応用するclinical implementationを本研究成果からどのように考えるのか、 そこに臨床研究の意義がありますが、 それが非常に難しいです。
PPIと認知症との関連に関する先行研究では結果が一致していない。 また、 PPIの長期使用の影響についての明確な研究は少なかった。
2011~13年の調査時に認知症のない5,712例
(米国のARIC研究*の参加者を基に抽出)
PPIの使用評価は、 医療機関への1回目の訪問 (Visit 1:1987~89年) から5回目の訪問 (Visit 5:2011~13年) まで行われた。
医療機関への5回目の訪問後の新規発症認知症
10.2% (585例) が認知症を発症
<5回目の訪問時点>
PPI使用者と非使用者で、 発症リスクに有意差は見られなかった (HR 1.1、 95%CI 0.9-1.3)
<5回目の訪問以前>
PPIを累積4.4年以上使用していた人は、 非使用者と比べ発症リスクが33%高かった (HR 1.3、 95%CI 1.0-1.8)
PPIの累積使用と認知症発症との間の可能性のある経路を理解するためには、 今後の研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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