海外ジャーナルクラブ
1年前
Reifらは、 治療抵抗性うつ病の患者を対象に、 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI) との併用におけるesketamine点鼻薬とクエチアピン徐放剤の有効性と安全性を第Ⅲb相非盲検評価者盲検実薬対照無作為化比較試験ESCAPE-TRDで検討した。 その結果、 8週時の寛解率、 8週時に寛解後32週時まで再発が確認されなかった患者の割合において、 esketamine点鼻薬のほうが有意に優れていた。 本研究はNEJM誌において発表された。
こうなりますとやはりesketamine点鼻薬とケタミン静注との有効性の比較が気になるところです。
治療抵抗性うつ病患者では、 寛解に至る患者の割合は低く、 再発する患者の割合は高い。 治療抵抗性うつ病患者に対するSSRIまたはSNRIとの併用下でのesketamine点鼻薬の有効性と安全性は、 クエチアピン徐放剤増強療法と比較して明確ではない。
治療抵抗性うつ病患者
患者を以下の群に1:1の割合で割り付けた。
両群ともにSSRIまたはSNRIを併用した。
無作為化後8週時点における寛解
8週時に寛解後32週時まで再発がないこと
主要評価項目
8週時の寛解率は、 esketamine群の方が有意に高かった。
p=0.003
副次評価項目
8週時に寛解後32週時まで再発がない患者の割合はesketamine群の方が有意に低かった。
32週間の追跡期間において、 寛解を得た患者の割合、 奏効した患者の割合、 ベースラインからのMADRSスコアの変化量についても、 esketamine群の方が良好であった。
安全性プロファイルは既報の内容と一致していた。
治療抵抗性うつ病患者において、 SSRIまたはSNRIとの併用下でのesketamine点鼻薬の投与は、 8週時の寛解率、 8週時に寛解後32週時まで再発がない患者の割合においてクエチアピン徐放剤よりも有意に優れていた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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