Neeraj Aらは、 転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) の患者1,279人を対象に、 アンドロゲン除去療法 (ADT) にオルテロネルを追加した際の臨床的有用性を検討する非盲検無作為化第Ⅲ相試験を実施(SWOG-1216試験). 結果、 オルテロネルの追加による全生存期間 (OS) の改善は認められなかった. 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された.
研究デザイン
- mHSPC患者1,279名を以下の2群に1 : 1に割り付け.
- オルテロネル+ADT (300mgを1日2回経口投与) :638名
- ビカルタミド+ADT (50mgを1日1回経口投与) :641名
- 主要目的は全生存期間 (OS)、 副次的評価項目は無増悪生存期間 (PFS) 、 7ヵ月後のPSA値, 有害事象とした.
研究結果 (追跡期間中央値 4.9年)
有効性評価
- OS中央値は、 81.1 vs. 70.2ヵ月であった (HR 0.86, 95%CI 0.72~1.02, P=0.040)
- PFS中央値は、 47.6 vs. 23.0ヵ月で著しい改善がみられた (HR 0.58, 95%CI 0.51~0.67, P<0.0001)
- 7ヵ月目のPSA値に著しい改善が見られた (P <0.0001).
安全性評価
- グレード3/4の有害事象は、 オルテロネル+ADT群でより多く発生した (43% vs. 14%) .
原著
Agarwal N, et al. Orteronel for Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: A Multicenter, Randomized, Open-Label Phase III Trial (SWOG-1216). J Clin Oncol. 2022 Apr 21;JCO2102517. PMID: 35446628