【JAMA】心臓手術の輸血、低温保存血小板が室温保存血小板に非劣性
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海外ジャーナルクラブ

17日前

【JAMA】心臓手術の輸血、低温保存血小板が室温保存血小板に非劣性

【JAMA】心臓手術の輸血、低温保存血小板が室温保存血小板に非劣性
Spinellaらは、 人工心肺を用いた心臓手術中に活動性の出血をきたした小児および成人を対象に、 最長21日間低温保存した血小板 (CSP) の輸血と、 最長7日間室温保存した血小板 (RTP) の輸血の止血効果を第Ⅲ相無作為化比較試験CHIPSで比較した。 その結果、 主要評価項目である止血効果スコアでCSPのRTPに対する非劣性が示された。 試験結果はJAMA誌に発表された。

📘原著論文

Cold and Room-Temperature Platelets in Cardiac Surgery: The CHIPS Randomized Clinical Trial. JAMA. 2026 Aug 17. Online ahead of print. PMID: 42606886

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

11例が主要解析から除外されました。 冷蔵保存期間を算出できない治療を受けた症例や、 主要アウトカムが欠測した症例が含まれています。

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背景

低温保存で血小板製剤の保存期間を延長可能か検証

人工心肺を用いた心臓手術では、 出血に対して血小板輸血が必要になる場合がある。 血小板は通常20~24℃の室温で5~7日間保存される。

一方、 1~6℃の低温保存によって止血機能を損なわずに保存期間を延長できる可能性がある。

そこで、 本試験は人工心肺を用いた心臓手術中に活動性の出血をきたした患者への輸血において、 CSPがRTPに対し止血効果で非劣性または優越性を示す最長の低温保存期間 (最長21日) を明らかにすることを目的として実施された。

研究デザイン

CSP群とRTP群に2:1で無作為化

本試験は、 米国とオーストラリアの27施設で2021年12月~2025年3月に実施された多施設共同の無作為化・部分盲検・アダプティブ・非劣性・保存期間探索試験である*。 対象は人工心肺の使用が予定された小児および成人の心臓手術患者であった。

*統計解析は2025年9月9日~10月3日に実施された

患者は以下の2群に2:1で無作為に割り付けられた。

  • 低温保存血小板 (CSP) 群
  • 室温保存血小板 (RTP) 群
   保存期間: CSP群 最長21日 / RTP群 最長7日

主要評価項目は止血効果スコア (1~5点に点数化。 点数が高いほど出血が多いことを示す)。 非劣性マージンは1点と設定された**。 副次評価項目は24時間胸腔ドレーン排液量であった。

**7日以上の冷蔵保存期間のうち少なくとも1つで非劣性の事後確率が97.5%以上となった場合に成功基準を満たすと事前に規定された

結果

主要解析の対象は989例

血小板輸血を受けた1,000例のうち989例 (CSP群650例・RTP群339例) が主要解析に含まれた。 平均 (SD) 年齢は42.1 (30.1) 歳で、 67.8%が男性であった。

止血効果スコアは全ての低温保存期間で非劣性

CSPは主要評価項目でRTPに対し非劣性であり、 全ての低温保存期間で非劣性の確率は99.9%を超えていた。全ての保存期間を統合した解析では、 CSPのRTPに対する平均差は0.09 (95%信用区間 -0.06~0.23) であった。

全ての低温保存期間で非劣性が示されたことを受け、 CSPを単一群として扱った事後解析では、 止血効果スコアの平均 (SD) はCSP群で3.08 (1.15)、 RTP群で2.99 (1.10) であり、 両群で同程度であった。

24時間胸腔ドレーン排液量も有意差なし

24時間胸腔ドレーン排液量の中央値 (IQR) はCSP群で8.9mL/kg (5.2~15.4)、 RTP群で8.4mL/kg (5.5~15.9) であり、 中央値の差は0.4 (95%CI -1.0~1.5) で両群間に統計学的な有意差は認められなかった。

再開胸の割合はCSP群で高い

静脈・動脈の血栓性イベント、 輸血関連有害事象、 急性呼吸窮迫症候群 (ARDS)、 腎不全、 敗血症性ショック、 死亡についても両群間に有意差は認められなかったが、 再開胸の割合はRTP群と比べてCSP群で高かった。

結論

血小板製剤の廃棄や供給不足の問題を解決できる可能性示す

著者らは、 「心臓手術を受ける患者において、 最長21日間低温保存した血小板は活動性の手術出血のコントロールで室温保存血小板に非劣性であることが示された。 低温保存血小板の使用は廃棄や供給不足を減らし、 血小板の利用可能性を高める可能性がある。 また、 室温保存血小板の有効期限が5~7日と短いために血小板を常備できない施設でも、 低温保存血小板であれば在庫に組み入れることができる可能性がある」と報告している。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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