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21日前

【NEJM】再発性多発性硬化症、ウブリツキシマブの投与で再発率低下


Steinmanらは, 再発性多発性硬化症 (MS) の患者を対象に, モノクローナル抗体ウブリツキシマブの効果を第Ⅲ相二重盲検ダミー試験で検討 (ULTIMATE I, Ⅱ試験) . その結果, ウブリツキシマブはテリフルノミドよりも96週間にわたり年換算再発率が低く, MRI上の脳病変も少なかったが, 障害悪化のリスクは有意に低くならなかった. 本研究は, NEJM誌で発表された. 

📘原著論文

Steinman L, et al, Ublituximab versus Teriflunomide in Relapsing Multiple Sclerosis. N Engl J Med. 2022 Aug 25;387(8):704-714. PMID: 36001711

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

なかなか治療効果を認める研究成果の報告に乏しい神経領域ですが, 本研究は再発性多発性硬化症に対してウブリツキシマブの投与で再発率低下が認められています.



背景

モノクローナル抗体ウブリツキシマブは, 抗体依存性の細胞溶解を促進し, B細胞の枯渇をもたらす. ウブリツキシマブは, 再発性MSの治療薬として評価されている.

研究デザイン

対象と方法

  • 再発性多発性硬化症患者を以下の2群に1:1の割り合いで無作為に割り付け.
  • ウブリツキシマブ群:ウブリツキシマブ静脈内投与 (1日目に150mg, その後15日目と24, 48, 72週目に450mg) +プラセボの経口投与
  • テリフルノミド群:テリフルノミド (14mg1日1回) およびプラセボの静脈内投与

評価項目

  • 主要評価項目:年率換算の再発率.
  • 副次評価項目:96週目までのMRI上のガドリニウム増強病変の数および障害の悪化とした.

研究結果

ULTIMATE I試験には549名が, ULTIMATE II試験には545名が登録された (追跡期間の中央値:95週間)

有効性評価 (年率換算の再発率)

<ULTIMATE I試験>

  • ウブリツキシマブ:0.08
  • テリフルノミド:0.19
率比 0.41, 95%CI 0.27-0.62, P<0.001

<ULTIMATE Ⅱ試験>

  • ウブリツキシマブ:0.09
  • テリフルノミド:0.18
率比 0.51, 95%CI 0.33-0.78, P=0.002
ガドリニウム増強病変の平均数はULTIMATE I試験, ULTIMATE Ⅱ試験のいずれも有意に多かった. 

<ULTIMATE I試験>

  • ウブリツキシマブ群:0.02 個
  • テリフルノミド群:0.49 個
率比 0.03, 95%CI 0.02-0.06, P<0.001

<ULTIMATE Ⅱ試験>

  • ウブリツキシマブ群:0.01個
  • テリフルノミド群:0.25個
率比 0.04, 95%CI 0.02-0.06, P<0.001
2つの試験のプール解析では, ウブリツキシマブ群 5.2%, テリフルノミド群 5.9% で 12 週時点での障害悪化が認められた.  HR 0.84, 95%CI 0.50-1.41, P=0.51

安全性評価

  • ウブリツキシマブ群の47.7%にインフュージョンリアクションが発生した.
  • 重篤な感染症は, ウブリツキシマブ群で5.0%, テリフルノミド群で2.9%に発生した.

結論

ウブリツキシマブ群はテリフルノミド群よりも96週間にわたり年換算再発率が低く, MRI上の脳病変も少なかったが, 障害悪化のリスクは有意に低くならなかった. また, ウブリツキシマブ群では, インフュージョンリアクションが確認された.


こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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