海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Raghavらは、 HER2陽性進行大腸癌患者を対象に、 トラスツズマブ デルクステカン (T-Dxd) の2つの用量の有効性と安全性を無作為化第Ⅱ相試験無作為化比較試験DESTINY-CRC02で検討した。 その結果、 有効性と安全性の観点からT-Dxd 5.4mg/kgが単剤での至適投与量であることが示された。 本研究は、 Lancet Oncol誌において発表された。
一般的なlimitationであるコントロール群がない、 N数が少ない、 観察期間が短いと言うのが本研究でもlimitationとなります。
T-Dxdは、 治療抵抗性のHER2陽性、 RAS野生型、 BRAF野生型の転移性結腸・直腸癌患者において有望な活性を示しているが、 RAS変異を有する患者や抗HER2療法歴のある患者に対する用量の最適化とさらなる抗腫瘍効果の評価が必要である。
前治療歴のあるHER2陽性、 RAS野生型または変異型の転移性大腸癌の成人患者 (18歳以上または20歳以上) : 122例
患者は以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
盲検独立中央判定により客観的奏効率 (ORR) が評価された。
5.4mg/kg群のORRは37.8% (95%CI 27.3-49.2%)、 6.4mg/kg群のORRは27.5% (同14.6-43.9%) であった。
Grade3以上の有害事象(AE)は、 6.4mg/kg群の49%に比べ、5.4mg/kg群では41%と低かった。
重篤なAEは、5.4mg/kg群で13%、 6.4mg/kg群で15%に発現した。 5.4mg/kg群では悪心 (4%)、 6.4mg/kg群では疲労 (5%)、 好中球減少 (5%)、 血小板減少 (5%) が多かった。
間質性肺疾患/肺炎は5.4mg/kg群で8% (すべてGrade1または2)、 6.4mg/kg群で13% (Grade1または2が4例、 Grade5が1例) に認められた。
著者らは 「T-Dxd 5.4mg/kgは、 前治療歴のあるHER2陽性転移性大腸癌患者に対して有望な抗腫瘍活性と良好な安全性プロファイルを示し、 最適な単剤投与量であると考えられる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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