【Lancet Oncol】抗HER2療法歴のあるHER2陽性大腸癌、 T-Dxd単剤の至適投与量は?
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3ヶ月前

【Lancet Oncol】抗HER2療法歴のあるHER2陽性大腸癌、 T-Dxd単剤の至適投与量は?

【Lancet Oncol】抗HER2療法歴のあるHER2陽性大腸癌、 T-Dxd単剤の至適投与量は?
Raghavらは、 HER2陽性進行大腸癌患者を対象に、 トラスツズマブ デルクステカン (T-Dxd) の2つの用量の有効性と安全性を無作為化第Ⅱ相試験無作為化比較試験DESTINY-CRC02で検討した。 その結果、 有効性と安全性の観点からT-Dxd 5.4mg/kgが単剤での至適投与量であることが示された。 本研究は、 Lancet Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Trastuzumab deruxtecan in patients with HER2-positive advanced colorectal cancer (DESTINY-CRC02): primary results from a multicentre, randomised, phase 2 trial. Lancet Oncol. 2024 Aug 5:S1470-2045(24)00380-2. PMID: 39116902

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

一般的なlimitationであるコントロール群がない、 N数が少ない、 観察期間が短いと言うのが本研究でもlimitationとなります。

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背景

抗HER2療法歴のある患者への効果は?

T-Dxdは、 治療抵抗性のHER2陽性、 RAS野生型、 BRAF野生型の転移性結腸・直腸癌患者において有望な活性を示しているが、 RAS変異を有する患者や抗HER2療法歴のある患者に対する用量の最適化とさらなる抗腫瘍効果の評価が必要である。

研究デザイン

対象は前治療歴のある大腸癌患者122例

前治療歴のあるHER2陽性、 RAS野生型または変異型の転移性大腸癌の成人患者 (18歳以上または20歳以上) : 122例

患者を2つの用量に割り付けて比較

患者は以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。

  • T-Dxd 5.4mg/kg群 : 82例
第1ステージは40例、 第2ステージで42例追加
  • T-Dxd 6.4mg/kg群 : 40例

主要評価項目はORR

盲検独立中央判定により客観的奏効率 (ORR) が評価された。

研究結果

ORRは5.4mg/kg群で高率

5.4mg/kg群のORRは37.8% (95%CI 27.3-49.2%)、 6.4mg/kg群のORRは27.5% (同14.6-43.9%) であった。

Grade3以上のAEは5.4mg/kg群で低い

Grade3以上の有害事象(AE)は、 6.4mg/kg群の49%に比べ、5.4mg/kg群では41%と低かった。

重篤なAEは5.4mg/kg群で低い

重篤なAEは、5.4mg/kg群で13%、 6.4mg/kg群で15%に発現した。 5.4mg/kg群では悪心 (4%)、 6.4mg/kg群では疲労 (5%)、 好中球減少 (5%)、 血小板減少 (5%) が多かった。

間質性肺疾患の発症も5.4mg/kg群で低い

間質性肺疾患/肺炎は5.4mg/kg群で8% (すべてGrade1または2)、 6.4mg/kg群で13% (Grade1または2が4例、 Grade5が1例) に認められた。

結論

5.4mg/kgが最適な単剤投与量

著者らは 「T-Dxd 5.4mg/kgは、 前治療歴のあるHER2陽性転移性大腸癌患者に対して有望な抗腫瘍活性と良好な安全性プロファイルを示し、 最適な単剤投与量であると考えられる」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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