寄稿ライター
1年前
医師の皆さん、 頑張りすぎてないですか?心身ともに疲れていませんか?連載 「医師のためのボディメンテナンス」 の2回目では、 新潟医療福祉大学リハビリテーション学部鍼灸健康学科長の粕谷大智教授に、 心身の健康維持に向けた3つの提案をしてもらいます。
頑張り過ぎのちょっと危ないサイン、 ご存知ですか?
などが挙げられます。 負のスパイラルに突入すると、 回復まで時間がかかってしまいます。
健康管理のためにジムで身体を鍛えたり、 マッサージを受けたり、 中には食事制限をしている先生もいると思います。 しかし、 「決まった時間がとれないから運動も定期的に出来ない」「付き合いや外食で食生活が乱れている」「仕事で手一杯なので、 これ以上ノルマを増やすのは大変…」 など、 分かっちゃいるけど…ですよね。
こんな時、 本来身体が持っている自然治癒力 (ホメオスタシス) を高め、 ポテンシャルを高める3つの提案をします。
な~んだと思われる先生もいると思いますが、 本来備わっている自然治癒力を高め、 心と身体のポテンシャルを最大限に引き出すセルフケアの習慣づけは非常に重要です。
継続できるセルフケアは、 気持ちよく、 無理なく、 辛くなく、 その場で効果を実感するセルフケアが大事です。 騙されたと思ってやってみてください。 まずは1つ目を詳しくご説明いたします。
ご存知のように吸気時は心拍数が上昇し、 呼気時は減少します。 自律神経の反応として、 息を吐く時は交感神経の活動が抑制されます。 普段の仕事で緊張が続いている時、 学会の準備や原稿の〆切に追われて焦っている時などは交感神経が亢進する一方、 睡眠時やリラックス時は副交感神経の活動が高まっています。 呼吸・心拍・自律神経は相互関係にあり、 呼吸の方法で自律神経に影響を与えられます。
すなわち、 呼吸法による自律神経の調整です。 ヨガや瞑想や太極拳もこの呼吸法が取り入れられています。 これは副交感神経のみを有意に働かせるのではなく、 交感神経も副交感神経も共に働きを高めることでメリハリをつけることです。
それでは、 この場でやってみましょう。 まずは、 どれだけ肺に空気を取り入れられるか?手のひらを前にして息を吸って肩を拡げてみてください。 この時は鼻で吸います。 肩の動きは如何でしょうか?
普段から背中が丸まって姿勢が悪いと、 この肩の動きも制限され、 良好な呼吸が出来なくなります。
次に、 良好な呼吸を行いやすい準備体操です。
【その①】
深く呼吸をするには肩甲骨の動きが柔軟でなければいけません。 肩甲骨の柔軟性を向上させるには、 両手の指から肘までをつけて、 ゆっくり顎まで挙げます。 3秒持続して、 ゆっくり下げます。 これを5回繰り返してください。
必ず両肘がついた状態で上げることが大事です。 猫背で姿勢が悪い方はこれが結構辛い…二の腕や肩周囲に伸びてるな~と刺激を感じるような意識があれば良しです。
【その②】
次に鎖骨に下 (鎖骨下筋や小胸筋) を四指で10回ほどさすります。 少し圧を感じるくらいがベストです。 それでは、 先程と同じように手のひらを前にして息を吸って肩を 拡げてみてください。 かなり肩の動きが良くなり呼吸も深く吸えるようになったと思います。 準備体操はここまで。
【その③】
3~4秒くらいを目途に、 鼻で息をゆっくり吸ってください。 そして5~6秒かけてゆっくりと口から息を吐いてください。 ゆっくり吐くことで心拍数も減少し、 交感神経も抑制され、 副交感神経の活動が向上します。 この深呼吸を5回繰り返してください。
東洋医学ではこの呼吸法で気 (身体のエネルギー) を充実させることが大事と考えられています。 仕事の合間、 疲労を感じた時、 PC作業が続いた時など、 その場で出来る身体が持っている自然治癒力 (ホメオスタシス) を高める呼吸法です。
如何でしょうか?少しリラックスできましたか?
しかし、 これだけでは東洋医学メソッドにはなりませんので、 次回はこの呼吸法にツボ刺激を加えたメソッドを紹介します。 セルフケアは色々ありますが、 私が提案したいのは、 ご自身が気持ち良く、 リラックスして継続して出来るものです。 次回をお楽しみに。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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