【Lancet】分化型甲状腺癌、 低リスク例において放射性ヨウ素療法は回避可能
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【Lancet】分化型甲状腺癌、 低リスク例において放射性ヨウ素療法は回避可能

【Lancet】分化型甲状腺癌、 低リスク例において放射性ヨウ素療法は回避可能
Mallickらは、 英国における低リスクの分化型甲状腺癌患者を対象に、 甲状腺全摘後の放射性ヨウ素療法 (アブレーション) の有無による無再発生存 (RFS) 率を第Ⅲ相多施設共同非劣性無作為化比較試験IoNで検討した。 その結果、 アブレーション未実施のアブレーション実施に対する非劣性が検証され、 特にpT1、 pT2かつN0またはNxで悪性所見を有さない患者において、 アブレーションを回避できる可能性が示唆された。 本研究はLancet誌において発表された。

📘原著論文

Thyroidectomy with or without postoperative radioiodine for patients with low-risk differentiated thyroid cancer in the UK (IoN): a randomised, multicentre, non-inferiority trial. Lancet. 2025 Jul 5;406(10498):52-62. PMID: 40543520

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Lancet特有の臨床応用の示唆には、 低リスク甲状腺癌患者約40万人がアブレーションを回避できることにより副作用の回避、 入院・隔離の不要化、 医療費削減、 医療従事者の被曝低減、 環境負荷の軽減など多くの利点が得られると記載されています。

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JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2025 Mar 1;151(3):243-252.

目的

アブレーション未実施のアブレーション実施に対する非劣性を検証

分化型甲状腺癌患者は、 甲状腺全摘後にアブレーションで治療されることが多々ある。

そこで、 低リスク分化型甲状腺癌患者におけるRFS率において、 アブレーション未実施のアブレーション実施に対する非劣性を検証する目的で第Ⅲ相試験IoNが実施された。

研究デザイン

主要評価項目は5年RFS率

英国のがんセンター33施設で、 甲状腺全摘後に完全切除 (R0) が達成され、 病期がpT1、 pT2、 pT3 (TNM7基準) またはpT3a (TNM8基準)、 かつN0、 Nx、 またはN1aの分化型甲状腺癌患者504例が最小化法を用いた中央電子システムにより以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • アブレーション未実施群 : 

251例 (per-protocol集団 249例) 

  • アブレーション実施群 : 

253例 (per-protocol集団 231例)

1.1GBqのアブレーションを実施する
層別化因子は施設、 年齢、 T病期、 リンパ節転移の状態であった。 患者は年1回の頸部超音波検査および6ヵ月ごとの血清サイログロブリン測定を受けた。

主要評価項目は5年RFS率であり、 局所再発または持続性構造疾患、 遠隔転移、 または甲状腺癌による死亡が認められないことと定義された。 非劣性マージンは5%㌽であった。

主要評価項目についてはper-protocol解析およびintention-to-treat (ITT) 解析、 安全性はper-protocol解析が行われた。

結果

アブレーション未実施のアブレーション実施に対する非劣性が実証

追跡期間中央値は、 アブレーション未実施群で6.8年 (四分位範囲 [IQR] 5.6-8.6年)、 アブレーション実施群で6.6年 (IQR 4.8-8.5年) であった。

ITT集団において、 追跡期間中に17例の再発 (アブレーション非実施群 8例、 アブレーション実施群 9例) が認められた。

5年RFS率は、 ITT集団におけるアブレーション未実施群が97.9% (95%CI 96.1-99.7%)、 アブレーション実施群が96.3% (93.9-98.7%)、 per-protocol集団ではそれぞれ97.9% (95%CI 96.1-99.7%)、 96.9% (95%CI 94.7-99.1%) であった。

ITT集団における両群間のRFS率の5年絶対リスク差は0.5%㌽ (95%CI -2.2-3.2%㌽) であり、 アブレーション未実施のアブレーション実施に対する非劣性が検証された (非劣性のp=0.033)。

pT1、 pT2かつN0またはNxで再発率は低く

全体 (504例) の病期別の再発率はpT3/pT3aの腫瘍を有する患者で高く (pT3/pT3a腫瘍 9% [4/46例] vs pT1/pT2腫瘍 3% [13/458例])、 リンパ節転移の状態別ではN1aの患者で高かった (N1a 13% [6/47例] vs N0/Nx 2% [11/457例])。 一方、 アブレーションの有無による違いはみられなかった。

AEは両群で同程度

有害事象 (AE) の発現は両群で同程度であり、 多く認められた主なAEは疲労 (アブレーション未実施群 25%、 アブレーション実施群 28%)、 倦怠感 (いずれも14%)、 口腔乾燥 (それぞれ10%、 9%) であった。 治療関連死の報告はなかった。

結論

pT1、 pT2かつN0またはNx、 悪性所見なしでアブレーションを回避可能

著者らは 「本試験の結果は、 pT1、 pT2かつN0またはNxで悪性所見を有さない患者において、 アブレーションを回避できる可能性を示している。 世界中の多くの低リスク分化型甲状腺癌患者が、 術後のアブレーションおよびそれに伴う入院・副作用を安全に回避でき、 医療コストの削減にもつながる」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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