海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Wallachらは、 非腫瘍性慢性疾患の患者を対象に、 代替 (サロゲート) マーカーを用いた治療効果と臨床アウトカムとの関連性について、 メタ解析で検討した。 その結果、 多くの代替マーカーが高強度のエビデンスを欠いていることが明らかになった。 本研究はJAMA誌において発表された。
FDA承認の基となる研究成果を発表する機会が多いJAMAによる自己検証論文のような意味あいを感じます。 アルツハイマー、 CKD、 COPD、 痛風、 HIVなど内科各領域が取り上げられており、 全ての医師に必読の論文と言えます。
代替マーカーは、 医薬品の承認において重要な役割を担う臨床試験における主要評価項目として使用されることが多くなっている。
米食品医薬品局(FDA)の成人代替エンドポイント表 (FDA Adult Surrogate Endpoint Table) に掲載され、 2023年3月19日時点でのMEDLINE登録文献から得た32件の非腫瘍性慢性疾患に関する臨床試験より、 主要評価項目として使用されていた代替マーカーのデータ : 32試験 (37例)
非腫瘍性慢性疾患の治療薬に関して代替マーカーを用いて評価した治療効果、 および臨床アウトカムとの関連性の強さを検討した臨床試験のメタ解析と、 そこから得られたエビデンスの要約、 系統的レビュー
相関係数 (r) または決定係数 (R2) の報告が認められた場合、 エビデンスは高強度 (r≧0.85またはR2≧0.72) に分類された。
代替マーカー1件あたりのメタ解析数の中央値 : 2.5件 (四分位範囲[IQR] 1.3-6.0件)
非腫瘍性慢性疾患の治療薬のFDA承認を支持するための臨床試験において、 主要評価項目として使用された代替マーカーのほとんどは、 臨床転帰との関連について、 高強度のエビデンスを欠いていた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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