【JAMA】慢性疾患治療薬の代替マーカー、臨床転帰との関連は低い
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海外ジャーナルクラブ

5ヶ月前

【JAMA】慢性疾患治療薬の代替マーカー、臨床転帰との関連は低い

【JAMA】慢性疾患治療薬の代替マーカー、臨床転帰との関連は低い
Wallachらは、 非腫瘍性慢性疾患の患者を対象に、 代替 (サロゲート) マーカーを用いた治療効果と臨床アウトカムとの関連性について、 メタ解析で検討した。 その結果、 多くの代替マーカーが高強度のエビデンスを欠いていることが明らかになった。 本研究はJAMA誌において発表された。

📘原著論文

Associations Between Surrogate Markers and Clinical Outcomes for Nononcologic Chronic Disease Treatments. JAMA. 2024 Apr 22:e244175. PMID: 38648042

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

FDA承認の基となる研究成果を発表する機会が多いJAMAによる自己検証論文のような意味あいを感じます。 アルツハイマー、 CKD、 COPD、 痛風、 HIVなど内科各領域が取り上げられており、 全ての医師に必読の論文と言えます。


代替マーカーでの評価の信頼性は?

代替マーカーは、 医薬品の承認において重要な役割を担う臨床試験における主要評価項目として使用されることが多くなっている。

代替マーカーを用いた32試験をメタ解析・系統的レビューで分析

対象

米食品医薬品局(FDA)の成人代替エンドポイント表 (FDA Adult Surrogate Endpoint Table) に掲載され、 2023年3月19日時点でのMEDLINE登録文献から得た32件の非腫瘍性慢性疾患に関する臨床試験より、 主要評価項目として使用されていた代替マーカーのデータ : 32試験 (37例)

方法

非腫瘍性慢性疾患の治療薬に関して代替マーカーを用いて評価した治療効果、 および臨床アウトカムとの関連性の強さを検討した臨床試験のメタ解析と、 そこから得られたエビデンスの要約、 系統的レビュー

3人の査読者により選択され、 観察研究のメタ解析は除外された。

主要評価項目

相関係数 (r) または決定係数 (R2) の報告が認められた場合、 エビデンスは高強度 (r≧0.85またはR2≧0.72) に分類された。

高強度r or R2は17%に留まる

メタ解析同定率

  • 22例 (59%) の代替マーカーにおいて、 適格なメタ解析が同定されなかった
  • 残り15例 (41%) の代替マーカーにおいては少なくとも1件のメタ解析が同定された (総数 : 54件)
代替マーカー1件あたりのメタ解析数の中央値 : 2.5件 (四分位範囲[IQR] 1.3-6.0件) 
  • メタ解析1件に含まれた試験数中央値は18.5件 (IQR 12.0-43.0件)、 患者数中央値は9万56例 (同 2万109-17万14例) であった

代替マーカー×臨床転帰の調査結果

  • 54件のメタ解析では、 109件の代替マーカーと臨床転帰の組み合わせを報告していた
  • 59例 (54%) は少なくとも1つのrまたはR2を報告し、 うち10例 (17%) は少なくとも1件が高強度に分類された
  • 一方で残りの50例 (46%) では、 傾き、 効果推定値、 メタ回帰分析の結果のみが報告されており、 うち26例で、 統計学的に有意な結果が少なくとも1つ報告されていた

多くの代替マーカーがエビデンス弱

非腫瘍性慢性疾患の治療薬のFDA承認を支持するための臨床試験において、 主要評価項目として使用された代替マーカーのほとんどは、 臨床転帰との関連について、 高強度のエビデンスを欠いていた。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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